”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「ストックホルムでワルツを」。
 4年前の2013年9月13日(スウェーデン)に公開されました。

スウェーデンの首都ストックホルムから300km離れた小さな田舎町に両親と5歳の娘と暮らしているシングルマザーのモニカは、電話交換手の仕事をしながら、時折深夜バスでストックホルムまで出向き、ジャズクラブで歌手としてステージに立つ忙しい日々を送っていた。いつか歌手として成功し、この町を出て娘と2人で何不自由なく暮らせる日が来ることを夢見ているモニカに、厳格な父は“母親失格”のレッテルを貼り歌の仕事に反対をしていた。そんな時、モニカの歌を聞いた評論家の誘いからニューヨークで歌うチャンスが与えられる。一世一代のチャンスに、意気揚々とジャズの聖地に乗り込むモニカだが、ライブは無残な結果となり、さらには憧れの歌手から“自分らしい歌を歌いなさい”と厳しい批判を受ける。ニューヨークでの評判はモニカの住む町まで届き、父は皮肉を浴びせ、歌をやめ母親業に専念するよう言い放つ。落ち込むモニカだったが、ある日バンドのベースを務めるストゥーレと、母国語(スウェーデン語)でジャズを歌うことを思いつく。誰もが予想していなかったこの歌声は、次第にストックホルムの人々の心に響くようになり、モニカは夢のステージへの階段を上がり始めた―。(Filmarksより)

 いつものように夜7時くらいからスタート。
 お楽しみに。

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 いつものように夜7時くらいからスタート。
 お楽しみに。










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 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「ロスト・イン・トランスレーション」。
 14年前の2003年9月12日に公開されました。

ハリウッド俳優のボブは、ウィスキーのCM撮影のために来日する。慣れない国での孤独感を感じるボブは、東京のホテルに到着した翌朝、エレベーターで若いアメリカ人女性、シャーロットと乗り合わせた。彼女はフォトグラファーの夫の仕事に同行してきた新妻で、やはり孤独と不安に苛まれていた。やがて2人は、ホテルのバー・ラウンジで初めて言葉を交わし、親しくなる。シャーロットの友人のパーティーに誘われ、夜の街へと出掛けたボブは、カタコトの英語を話す若者たちとの会話を楽しみ、カラオケでマイクを握るシャーロットに魅入る。2人は東京に来て初めて開放的な気分を感じた。ボブはCM撮影が終了したが、急遽舞い込んだテレビ出演の話を承諾し、滞在を延ばすことになった。ボブは、シャーロットとランチを共にし、ホテルの部屋で古い映画を観て時を過ごし、絆を深めていった。だがボブの帰国の時が訪れる...。(KINENOTOより抜粋)

 ウィキペディアの請売りですが、ソフィア・コッポラ監督による本作のテーマは「アノミー」だといいます。
 ウィキのリンクで、「アノミー」に跳ぶと、「アノミー(anomie)は、社会の規範が弛緩・崩壊することなどによる、無規範状態や無規則状態を示す言葉。フランスの社会学者エミール・デュルケームが社会学的概念として最初に用いたことで知られる。」とのこと。
 さらなる???のぬかるみに足をとられそうになったので、慌てて、不勉強人にも解かりやすいことばで論じていそうな方のブログにて「アノミー」をにわか勉強したところ、店主的には「アノミー=人が生きてる限り、本来生じる何かとのつながりや目的が失われた状態」というところに着地いたしました。

 さて、本作中のアメリカ人男女は、二人とも「アノミー状態」で、新宿のホテルで遭遇します。森進一の「新宿・みなと町」?ではありませんが、自ら望んだわけでもなく、なんとなく流れ着いたというわけですね。
 妖しげな賑々しさに彩られた新宿という街にあって、二人が宿泊しているパークハイアット東京は、この上なく快適なコクーンのようであります。
 互いの「アノミー」を悟った二人は、抱えた喪失感を埋めるように、ホテルを出て東京という異国の大都会の冒険にくり出します。
 セレブ御用達の「コクーン」を抜け出すことが、二人に連帯感なりある種の共犯意識を芽生えさせるきっかけになるところがおもしろいのです。
 つまりは、「アノミー」から抜け出す一歩になったわけですね。

 主演の二人は公開当時、ビル・マーレイ53歳、スカーレット・ヨハンソン19歳。
 変化のない結婚生活に萎えてしまった中年俳優と、輝く美しさを湛えながら未来に不安を抱く新妻。
 説得力のあるキャスティングは、「ロスト・イン・トランスレーション」の成功の肝といえましょう。
 店主自身何度も身を置いたはずの馴染みの新宿の雑踏の中を、スカーレット・ヨハンソンが消え入りそうになりながら歩くシーン。
 ただそれだけなのですが、本作全体に流れる漂流感と相まって、何ともいえず心に沁みる映像美があります。

 いつものように夜7時からスタート。
 お楽しみに。

 
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 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「フランシス・ハ」。
 5年前2012年の本日9月1日に公開されました。
 
 本作のタイトルを見て、「店主のキーボード操作ミス?」と思ってしまう人も多いと思います。
 かく言う店主自身も、雑誌のレビューで最初に目にした時はミスプリントだと早合点してしまいました。
 原題はずばり"Frances Ha"ですから、英語圏の人たちにとっても、へんちくりんなタイトルに違いはありません。

 
ニューヨークに暮らすフランシスは、プロのダンサーを目指している。彼女と同居していた親友のソフィーは、パッチとの婚約を機に、フランシスを置いて引っ越して行く。残されたフランシスは、故郷のサクラメントで両親と過ごすクリスマス、パリへの短期旅行を経て、ニューヨークに戻ってくる。自分の人生と向き合った彼女は、振付師として、人生の新たな一歩を踏み出す。


 去年ボウイの訃報を聞いたとき、彼の"Modern Love"がドはまりしているこの映画ことが思い起こされました。
 日本人的に直訳すると、「現代的な愛」。
 言わずと知れた、83年に発売されたボウイいわく「ホットケーキみたいに売れに売れた」アルバム"Let's Dance"からのシングルナンバーであります。
 ここで、ハタと考えました。 
 確かにこの曲が流れるなか、フランシスがNYの街を激走するシーンはこの上なく小気味よい。
 ただ、インディペンデント映画界のミューズ、グレタ・ガーウィグ主演・兼脚本の本作であるならば、ノリのよさだけでもってヒットソングを使ったりはしないだろう…。
 ネット検索してみたところ、はたして様々に同曲の訳詞に挑んでいる方々がいらっしゃる。
 一番しっくりきたものを店主なりに意訳してみると、こんな感じでしょうか。


新聞配達の少年を呼び止める
そんな事をしても物事は変わりはしない
風に吹かれて立ちつくすわたし
でも決してバイバイって手を振ったりしない

やってやる、わたしはやってやる

生きてる証しなんかない
人を魅了する力ならあるけど
雨に打たれて横たわるわたし
でも決してバイバイって手を振ったりしない

やってやる、わたしはやってやる

もうモダンラブに入れ込んだりしない

モダンラヴ、ときには寄り添い歩き 
モダンラブ、ときには目の前を通り過ぎていく
モダンラブ、いつも通りに教会へと連れてゆく

いつも通りに教会へ、わたしを怖れさせて
いつも通りに教会へ、わたしを高揚させて
いつも通りに教会へ、神と人との契約を押し付ける

神と人、懺悔もいらない
神と人、信仰もいらない
神と人、モダンラヴなんか信じちゃいけない


 
 驚きです。
 ボウイは、ヒット請負人ナイル・ロジャースがお膳立てした売れ線の音に、彼らしくこんな難解なことばをのせていたのであります。
 少なくとも、タイトルから直感しがちな軽薄なポップ・チューンではないのは明らか。
 では、「モダンラブ」とは何でしょう。
 どうやら、現代社会における信仰に代表されるような、盲目的規範全般を指していようであります。

 モダンダンサー志望のフランシス。
 それが叶わぬ夢になりそうなのは、彼女のぶっきっちょさ加減からしたら誰が見ても明らか。
 歩き方ひとつとっても、「ノシノシ歩き」と揶揄される始末。
 前向きというよりは、前のめりで闇雲な行動パターンがお決まり。
 でも、ぎりぎりのところで「自分」を見失わないのがこの愛すべき主人公、フランシスの大いなる強味であります。

 奇妙なタイトルの種明かしはラストシーンにしっかり用意されているのですが、同時に彼女の未来を予見させる仕掛けにもなっております。
 エンドロールで再び流れる"Modern Love"。
 訳詞を踏まえてみると、世の中にはびこる既成概念や体制への追従姿勢を否定的に歌っているとわかるこの曲がテーマに選ばれた理由も、ここにきて合点がいくと思うのですが。
 
 いつものように夜7時からスタート。
 お楽しみに。

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 ”好きな映画がロードショー公開された季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「アメリカン・グラフィティ」。
 44年前の1973年8月11日に公開されました。

1962年、カリフォルニア北部の小さな田舎町。ハイスクールを卒業し大学のある東部への出発を明朝に控えた、スティーヴとカートは故郷での最後の夜を楽しく過ごそうと、テリーとビッグ・ジョンを誘い町に繰り出す。暴走族の仲間に入らされたり、酒を買おうと四苦八苦したり、マセた女の子にせまられたりという数々のエピソードが、当時のヒット・ナンバーに乗せて軽やかに描かれるが、やがてそれぞれの決意を秘めた朝がやって来る……。(allcinemaより抜粋)

 その時代のヒット曲を散りばめて青春群像を描くという手法は、今では珍しくありませんせんが、本作公開当時は画期的な演出であり、現在に至るまで多くのフォロワームービーが制作されたわけですが、この一夜もののバイブル「アメグラ」を凌駕する作品は未だ見当たりません。
 しかも挿入曲は、実在した伝説的DJ、ウルフマン・ジャック(本人役で出演)の名調子とともに、登場人物たちが運転する車のカーラジオから流れてくる設定がとられているので、たとえば、車内から街中に移動するカメラワークとともに、曲の聞こえ方もそれに連れて変化します。
 この音響泣かせの凝った演出のおかげで、観客は知らず知らずのうちにこの一夜の物語に自分も足を踏み入れたような感覚に陥いるわけであります。

 古き良き時代のアメリカ文化を垣間見るという意味でも、この映画は、ビデオを駆使して隅から隅まで舐めるように観た記憶があります。
 国も時節もまったく無関係なのに、いつの間にやらこの映画を観ると、ある種のノスタルジーがよみがえってくるまでになってしまいまして。
 
 ちなみに、主要キャストの一人で町一番の走り屋、ジョン・ミルナーは白の半袖ヘインズを着ているのですが、キャメルの煙草を袖先にくるりと巻き込んで携帯しております。
 店主もそうでしたが、へインズにキャメルをずばりまねた人も世界中に相当数いたでしょうね。

 いつものように夜7時からスタート。
 お楽しみに。

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 毎月最終土曜の夜恒例、アルック・プレゼンツ・”アマデュオス”ボサノバ投銭ライブを週末26日にやります!
 
 3回ステージ(演目は各回変わります)で、1st・PM7時 2nd・PM8時 3rd・PM9時、それぞれスタート。
 ワンステージだけでも、通しで全部聴かれても、お客様次第でOK。

 元々ノンチャージの当店ですが、今回も席料等はございません。
 ただし、彼らの演奏を聴かれて応援したくなったお客さまのために?、投銭入れをご用意いたしますので、お会計の際チャリ~ンと入れていただければ幸いです。

 今年は八幡様のお祭り最終日と重なる週末、荻窪のちいさなカフェにて、ボサノバ・ギターの調べをごゆるりとお楽しみください。


 【お問合せ・ご予約】080・2331・7608(カフェ専用携帯)






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 通常、店主が好きな映画をその映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することが決め事なのですが、そこまで店主も待てないということで今夜のアルック座はおきて破り。
 アカデミー賞授賞式での作品名読み違いパプ二ングの記憶も新しい「ラ・ラ・ランド」をお送りいたします。
 昨年12月9日に全米公開されました。

舞台はロスアンゼルス。高速道路は朝の大渋滞となっており、多くのドライバーが苛つきからクラクションを鳴らしている。渋滞の中に巻き込まれていたミア(エマ・ストーン)は女優の卵で、車中で台詞を覚えようとするが、後続車を運転していたセブ(ライアン・ゴズリング)に煽られて悪態をつく。ハリウッドにある撮影所でカフェ店員として働きつつ夢を追うミアだが、オーディションの結果は散々で、一向に役はもらえない。一方のセブはジャズピアニストで、歴史ある店が売れないジャズを諦める現状を嘆き、古き良きジャズを愛でる自分の店を開く夢を持つが、実際には姉ローラ(ローズマリー・デウィット)にも身を固めるよう諭される始末である。ある日例によってオーディションに落ちたミアは、ルームメイトの3人に誘われ、クリスマス・パーティに参加することになる。顔を売るための出席だったが思うようには行かず、挙げ句車がレッカーされてしまったミアは、夜道を歩いて帰路につく。通りかかったバーから偶然聞こえてきた音楽に惹かれてレストランへ入る。音の主は高速道路で煽ってきたセブで、ミアは曲に感激して声を掛けようとするが、契約通りの曲を弾かなかったことで解雇されたセブは、彼女を邪険に扱って店を出る...(ウィキペディアより抜粋)


 今年2月のある日、店主はブルックリンのとある街を歩いておりました。

 たまたま通りかかった映画館の上映予定ボードを目にすると何やら記憶にある作品名が。

 それが、NYを訪れる直前東京で聴いた渋谷陽一大先生(店主をロックにのめり込ませた張本人)のラジオ番組で取り上げていた「ラ・ラ・ランド」でした。

 その情報によると、その映画は今どき珍しくミュージカルであるということ。

 監督は3部門でオスカーを受賞した「セッション」のデミアン・チャゼルであるということ。


 確かこの監督って若かったよなぁ(今年31歳)。

 そもそも、かび臭い印象のミュージカル映画が何故に大ヒットを飛ばしているのだろうか。

 若き才能と古き映画ジャンルのギャップに店主は混乱しながらも、帰国前日の夜、この映画館の扉を押したのでした。


 後から聞けば、チャゼル監督が大学在学中から温めていた作品だといいます。

 ミュージカル映画の根幹を成す音楽担当は、同級生だったジャスティン・ハーウィッツ。

 このハーバードコンビがすごいのは、敬遠される可能性が高い現代ミュージカルである本作の出資を勝ち得るために、商業的成功が得やすいとみた「セッション」の制作を先行したことです。

 ご承知の通り「セッション」は大評判となり、「ラ・ラ・ランド」への出資の約束手形となりました。

 ノスタルジックなミュージカル映画のスタイルをとりながら、観客が自分の人生を重ねやすいありがちなラブストーリーを描いてみせる。

 誰も想像しなかった素晴らしきミュージカル映画がこうして陽の目をみたことは、トム・ハンクスの言葉を借りればまさに「神に感謝」したいという最大級の賛辞を店主にしても贈りたくなってしまうのであります。


 いつものように夜7時くらいからスタート。

 お楽しみに。


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 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、ジム・ジャームッシュ監督の「ブロークン・フラワーズ」。
 12年前の2005年8月5日(米)に公開されました。

主人公の中年男性、ドン・ジョンストン(ビル・マーレイ)はコンピューター・ビジネスでひと山当てて悠々自適の生活のはずだが、無気力な生活ぶりがたたって恋人シェリーに去られてしまう。そんなある日、ドンは匿名の手紙を受け取る。手紙は彼の元ガールフレンドからで、彼には19歳になる息子がいると書いてあった。元ガールフレンドと言っても名前がなく、誰なのか分からず、その手紙に対してどうする気も持っていなかったドンだが、隣人のウィンストン(ジェフリー・ライト)の熱心な勧めにより、可能性のある4人の女性を訪ねることにする。(ウィキペディアより)

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 毎月最終土曜の夜恒例、アルック・プレゼンツ・”アマデュオス”ボサノバ投銭ライブを明日29日にやります!
 
 3回ステージ(演目は各回変わります)で、1st・PM7時 2nd・PM8時 3rd・PM9時、それぞれスタート。
 ワンステージだけでも、通しで全部聴かれても、お客様次第でOK。

 元々ノンチャージの当店ですが、今回も席料等はございません。
 ただし、彼らの演奏を聴かれて応援したくなったお客さまのために?、投銭入れをご用意いたしますので、お会計の際チャリ~ンと入れていただければ幸いです。

 いつのまにやら明けた梅雨ですが、今年も酷暑の夏を予想する声が聞こえてきております。
 ここはひとつ荻窪のちいさなカフェで、ビール片手にボサノバ・ギターの調べにゆるーく身を委ねておくつろぎくださいませ。


 【お問合せ・ご予約】080・2331・7608(カフェ専用携帯)






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 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は先週に引き続き、アルフレッド・ヒッチコック監督の「北北西に進路を取れ」。
 58年前の1959年8月6日(米)に公開されました。

キャプラという男と間違われて誘拐されてしまった広告マン、ロジャー・ソーンヒルは、謎の人物タウンゼントからある仕事への協力を要請される。そして、人違いが判明すると今度は泥酔運転に見せかけて殺されそうになる。窮地を脱したロジャーは、翌日、真相を確かめようと国連ビルへ赴くが、そこに現れたタウンゼントは全くの別人だった。そして、タウンゼントの背中にナイフが突き立てられ、容疑はロジャーにかかってしまう……(allcinemaより抜粋)

 先週の「裏窓」は、主人公が足を骨折しているため一歩も外に出ることのないままストーリーが進行していくという、制約された条件を逆手にとったおもしろさがありましたが、「北北西に...」の主人公の方は両極で、殺人容疑をかけられ警察に追われれる身でありながら、人違いされた男を探し出して事件の真相に迫らんと孤軍奮闘します。
 「裏窓」に少々マニアックな映画人のための教科書的側面があるとしたら、「北北西に...」は、サスペンスの王様ヒッチコックが腕によりをかけた万人が楽しめる入門編的な作品といえましょう。

 話は本筋からずれますが、本作はキネティック・タイポグラフィ(文字を動かすアニメーション)が使用された最初の映画とされています。
 オープニングタイトルにおける、文字が飛んできて次第に消えていく今なお斬新なアニメーションを考案したのは、ニューヨーク出身のグラフィックデザイナー、ソール・バス。
 映画業界をはじめ多方面で活躍された方ですが、実は京王百貨店(包装紙とショッピングバッグ)、ミノルタ、紀文食品、味の素、コーセー化粧品、前田建設工業等々、日本企業のCIも多数手がけておられます。

 いつものように夜7時くらいからスタート。
 お楽しみに。

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 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、アルフレッド・ヒッチコック監督の「裏窓」。
 63年前の1954年8月1日(米)に公開されました。

カメラマンのジェフは事故で足を骨折し、車椅子生活を余儀なくされる。そんな彼にできる楽しみは、カメラの望遠レンズを使って裏窓から見る隣のアパートの住人達の人間模様の観察であった。ある日、いつも口喧嘩が絶えなかった中年夫婦の妻が突如として姿を消す。セールスマンらしい夫の怪しい挙動を観察していたジェフは、数々の状況証拠から殺人事件と確信。恋人リザと共に調査に当たる。事件を認めない友人の刑事を納得させるため、確たる証拠を掴もうとする2人に危機が迫り……。(ウィキペディアより)

 店主は「裏窓」を映画館で観たことがありませんでした。
念願のスクリーン観劇は今年度の「午前十時の映画祭」にて。

 店主お気に入りの映画のなかでも、クラシックの部類に入る「裏窓」でありますが、その映画的面白さに関していえば、ヒッチコックが映画作りを志す後進に残した非の打ちどころのない教科書のような映画であります。

 主人公を自力で動くことができない制約された状況に置くことによって、舞台劇のような設定が生まれ、彼の手足代わりに奮闘する恋人に危機が迫り、彼自身にも絶体絶命の場面が訪れるといった風に、ヒッチコックの制作ノートには、次々膨らむプロットが矢継早に書かれていったことでしょう。

 ヒッチコック作品のなかでも、特にこの作品を愛してやまないのは、全編スタジオ撮影に踏み切ったが故の、ヒッチコックの管理徹底ぶりがびしびし伝わってくるからであります。当然、主人公の部屋の窓から見える隣アパートの住人達の生活描写も細かく丁寧になされています。
 たとえば、主人公が、密かに「ミスロンリーハート」と呼んでいる女性の恋愛成就に至る経過なんかも、主人公の視点を通してまるでサイレント映画の如く観客に語られるあたりはまさに見事の一語。

 それと、この映画を観るたび、ついつい目がいってしまうのが、隣アパートの棟と棟の間から覗く表通りの様子。
 さすがに観客にも、窓の外に広がる隣近所のアパート群がセット作りだということは一見で分かりますが、このわずかな隙間から見える表通りを実際車や通行人が時々横切るのがちらちら目に入ることで不思議な現実感が画面全体に醸し出されております。
 セットの後ろに控えている車の行列はこの際想像しないことにしましょう。
  

 涙が出るほど懐かしい日曜洋画劇場放映時の淀川長治さんによる「裏窓」の解説をYouTubeで発見いたしました。
 あの名調子も合わせてどうぞ。
 いつものように、夜7時くらいからスタートです。
 お楽しみに。

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