”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「アニー・ホール」。
 41年前の1977年4月20日に公開されました。

ニューヨークの山の手に住むユダヤ系のアルビーはTVやナイトクラブのトークショーで稼ぐ漫談芸人。歳の頃は40、離婚歴1回のド近眼メガネ人間だ。そんな彼がある日、友人のTVディレクターのロブ達とテニスに行って、1人の美人と出会った。会話もユニークな彼女の名は、アニー。どこか屈託のない童女の雰囲気の彼女に出会ってからアルビーが変わった。アニーとのデートが日課の一つになったのだ。2人が同棲生活に入ったのはそれから間もなく。お互いにのぼせあがっていた2人も時がたつにつれて、お互いのアラが目についてきた。アルビーの周りには、なぜかTV局の女ロビンやアリソンがいて、アニーはそれが気になる。アルビーもアニーのつかみどころのない生き方がわからない。ましてアルビーは、男の独占欲にめざめてきたのだ。行きづまった2人の関係。2人は精神分析医の所に行き、2人の溝は埋まったかに見えた。だがそんなある日、アニーがいつものようにクラブで歌っていると、プロ歌手トニーが彼女の歌をほめ、カリフォルニアにくるようにすすめる。彼女は有頂天になり、精神状態も全快へとむかったが、アルビーはまだダメ。彼はアニーとトニー、果てはロブの仲まで疑い出したのだ。もうこうなってはおしまいだ。2人は別居を決意し、アニーはカリフォルニアに飛んで行った。一方、残されたアルビーを襲う寂寥感。アニーの後を追い、カリフォルニアに行き、やり直そうとアニーに迫るアルビーだったが、今のアニーは歌手としての成功の方が気になっていた...。(KINENOTOより抜粋)

 とにかく会話で埋め尽くされた映画であります。
 単純にいうと、セラピー通い15年という神経質で理屈っぽい主人公アルビーが速射砲的おしゃべりであるということに尽きるのですが、合わせて多用されるカメラの長回しが、彼の性質をさらに増幅させて分からしめる効果を果たしているわけです。
 またときには、聞いてもらいたくて我慢できないとでもいうようにカメラ目線で観客に向かってしゃべり始めるアルビー。
 いわゆる「第四の壁(フィクションの世界と現実世界を隔てる概念的境界)」を壊してまで、愛してやまなかったアニーとの破局話を切々と吐露するのであります。
 本作以降、映画的手法としては事新しいものではなくなりましたが、アルビーのアニーへの想いの膨れ上がったテンションを実に分かりやすく伝える演出であったと思います。
 
 誰かが言ってました、男は恋愛を「名前をつけて保存」することしかできない。
 すでに「上書き保存」してしまっている女のことをを、アルビーのようにいつまでもうじうじと思い返すというわけ。
 アメリカで最も著名な映画評論家であるロジャー・イーバートは本作を評していいました、「おそらく誰もが好きなウディ・アレン映画」であると。
 世間一般的な評価もまた同様でありましょう。
 心当たりがある「名前をつけて保存」男はやはり多そうであります。

 いつものように夜7時くらいからゆるくスタート。
 お楽しみに。

a0187509_15590693.jpg







[PR]
 ”好きな映画を、その映画が公開された月日に合わせて鑑賞することで、ロードショー当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「アメリ」。
 17年前の4月25日に公開されました。


少女の頃から空想の世界で遊ぶのが好きだった22歳のアメリ。古いアパートで一人暮らししながらモンマルトルのカフェで働く彼女は、他人を少しだけ幸せにするお節介を焼くのが楽しみ。そんなある日、遊園地のお化け屋敷とセックスショップで働く不思議な青年ニノに出会う。彼の、スピード写真のブース周辺に捨てられた写真をストックしたアルバムを拾ったアメリは、悪戯を仕掛けようとするうち、ニノに恋してしまう。しかし内気なアメリは恋に真正面から向き合うことができず、かくれんぼのような駆け引きが続く...。(KINENOTOより抜粋)


 今を時めくウェス・アンダーソン監督の「グランド・ブタペスト・ホテル」公開の際、論評する方々が、そのめくるめくカラフルでキッチュな映像美と時折挟み込まれるブラックな笑いを分かりやすく伝えようとして引き合いに出していたのが、この「アメリ」。
 公開が2001年ですから、思えばジャン・ピエール・ジュネ監督が本作で紡ぎあげた世界は、当時としては斬新奇抜を極めたものだったと思います。
 おそらく、「おしゃれな匂いはするけれど、難しそう」とフランス映画に微妙な距離を置いてきた日本のオリーブ少女たち(雑誌オリーブが休刊に追い込まれたのは2003年)にも抵抗なく受け入れられたはずです。
 結果観客が呼べるフランス映画として、興行成績16億のヒット作となりました。

 店主は「アメリ」を映画館で観たことがありませんでした。
 念願のスクリーン観劇は去年の「午前十時の映画祭」にて。
 赤や緑の暖色が氾濫する甘々の少し嘘くさい色彩美術、全編に流れるヤン・ティルセンの詩的でミニマルなスコアに目と耳は惑わされっ放しです。
 そして、なんといってもオドレイ・トトゥの愛らしさにはまったく困ってしまう。
 ジュネ監督が白羽の矢を立てた女優の降板により実現したキャステイングとのことですが、たとえば、マリリン・モンローの「ティファニーで朝食を」が想像できないように(役どころが娼婦という設定だったため、当初交渉していたモンローが難色を示し、代わってオードリー・ヘップバーンが登板することに。)、まるでアメリそのものといったオドレイ以外に本作の主役は考えられませんよね。
 監督が彼女の存在を知ったのは、偶然目にしたポスターだったらしいですし、ヤン・ティルセンに音楽を依頼したのも彼の曲を車中でたまたま聴いたことがきっかけなんだとか。
 映画の神様っていると思います。
 どのピースが欠けても「アメリ」じゃなくなってしまいますもんね。
 
 いつものように夜7時くらいからゆるくスタート。
 お楽しみに。


a0187509_14350534.jpg







[PR]

 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!

 というわけで、今夜のアルック座は、「フィールド・オブ・ドリームス」。

 29年前の1989年4月21日に公開されました。


 古い話ではありますが、1910年代のアメリカメジャーリーグに、ジョー・ジャクソンという選手がおりました。
 生涯打率.356という強打者であり、アメリカ野球殿堂入りの第一号選手タイ・カップに「彼のグローブの中で三塁打は死ぬ」とまで言わしめた堅守の名レフトでもあった選手です。
 殿堂入りも確実だった彼の人生の歯車が狂ったのは1920年32歳のとき。
 1919年のワールドシリーズでの八百長事件に関わったとして、メジャーリーグから永久追放されてしまいます。
 
 今だに復権運動が根強く続いているこの悲運のヒーローには異名があります。それは、マイナーリーグ時代に、しっくりこないスパイクを履いていて足にマメができたため、裸足でプレーを続けたという彼のエピソードからつけられました。
 そう、映画「フィールド・オブ・ドリームス」で、主人公が造ったトウモロコシ畑のなかの野球場に忽然と現れるあの野球選手が、まさしく”シューレス”ジョーその人です。

アイオワ州の田舎町に住むレイ・キンセラは農業でなんとか家計をやりくりする、一見普通の貧乏農家。ただ、若い頃に父親と口論の末に家を飛び出し、以来生涯に一度も父の顔を見る事も、口をきく事すらもなかった事を心の隅で悔やんでいる。

ある日の夕方、彼はトウモロコシ畑を歩いているとふと謎の声("If you build it, he will come." = 「それを造れば、彼が来る」)を耳にする。その言葉から強い力を感じ取った彼は家族の支持のもと、周囲の人々があざ笑うのをよそに、何かに取り憑かれたように生活の糧であるトウモロコシ畑を切り開き、小さな野球場を造り上げる。

その後しばらく何も起きなかったが、ある日の晩、娘が夕闇に動く人影を球場にみつける。そこにいたのは“ブラックソックス事件”で球界を永久追放され、失意のうちに生涯を終えた“シューレス”ジョー・ジャクソンだった。

 何故アイオワのトウモロコシ畑のなかに野球場を造らなければならなかったのか。 
 主人公レイは、自ら「撒いた種」の答えを探す旅に出ます。
 全盛期にユニフォームを脱がなければならなかった伝説の野球選手のため?
 若者たちのバイブルのような本を書き上げながらも隠遁してしまった小説家のため?
 徐々に解き明かされていく答え。
 でも、真実の答えにはまだ辿り着いてはいないような気が...。
 
 旅から戻ったレイが最終的に野球場で体験する「答え」はまさに奇跡。
 店主は毎回ここで涙腺崩壊であります。
 ネタバレになるので、ここは是非鑑賞してもらうとしましょう。
 この素晴らしきファンタジーの結末が荒唐無稽であることは否めませんが、一方で甚だしい感情移入をしてしまうのもまた否めません。
 それは、この奇跡が天地が引っくり返るような大事ではなく、主人公レイの個人的な悔恨に根差して描かれているからでしょう。

 
いつものように、夜7時くらいからゆるくスタート。
 お楽しみに。
 


a0187509_14205051.jpg











[PR]
 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「デストラップ・死の罠」。
 36年前の1982年3月19日に公開されました。

劇作家シドニー・ブリュール(マイケル・ケイン)は、新作の不出来に頭を痛める。これで4作続けての失敗だ。かと言って、妻のマイラ(ダイアン・キャノン)の金で食わしてもらうのはプライドが許さない。昨年、大学で彼が演劇について講議した時の生徒クリフォード・アンダーソン(クリストファー・リーヴ)から、自作の戯曲死の罠が送付され批評を乞うて来た。一読したところ、意外な結末、軽妙な会話、適当に笑わせ、ケチのつけようがない。マイラはその青年と協力して作品を手直しして、2人の名で発表したらと提案する。だが、シドニーはクリフォードを殺し、戯曲を自分1人の名で発表するのだといい出すが...(KINENOTEより抜粋)

 先日、三谷幸喜の「マトリョーシュカ」をテレビで観ていて思いだしたのがこの「デストラップ」。

 初見は、たぶん五反田あたりの名画座だったと思います。

 どんでん返しにつぐどんでん返し。

 まさに、マトリョーシカの如き入れ子構造の筋立てが「デストラップ」的だなぁと。

 ちょっと調べると、やはり三谷自身、本作を好きな映画の一本にあげておりました。


 軽妙洒脱なマイケル・ケインに、一歩も譲らず丁々発止の演技をみせるのがあのクリスファー・リーブ。

 正直、ほかに魅かれる出演作がなかなか見あたらないなか、本作と「ある日どこかで(1980年)」の2作品において彼は出色の名演を果たしています。

 こうなると、秀作に当たるというツキを呼び込む才も役者がスキルに備えるべき特質といまさらながら思わされてしまうのです。

 この点において、スーパーマンで売れてしまった彼は、「この特質」を世間の「色眼鏡」付きで持ち得てしまったのかもしれません。


 いつものように夜7時くらいからゆるくスタート。
 お楽しみに。


a0187509_16301411.jpg







[PR]
 毎月最終土曜の夜恒例、アルック・プレゼンツ・”アマデュオス”ボサノバ投銭ライブを週末31日に開催します! 

 3回ステージ(演目は各回変わります)で、1st・PM7時 2nd・PM8時 3rd・PM9時、それぞれスタート。
 ワンステージだけでも、通しで全部聴かれて、お客様次第でOK。
 元々ノンチャージの当店ですが、ライブの際も席料等はございません。
 ただし、彼らの演奏を聴かれて応援したくなったお客さまのために?、投銭入れをご用意いたしますので、お会計のあとチャリ~ンと入れていただければ幸いです。

 今月も「ステージ」と「客席」の線引きを取り払い、アマデュオスの二人が客席側、つまりロングベンチシートのまん真ん中に腰掛け演奏いたします。
 二人をとり囲むようにして聴いていただく、ソファ・サウンズ(ライブハウスなどの商業施設ではなく、リビングルームをはじめとするプライベートな空間で心地よい音楽体験をシェアするイベント。2009年ロンドン発祥。)ならぬ、ベンチ・サウンズといったところでしょうか。
 マイクを介さないすぐ傍らで鳴り響くギターの生音のすばらしさをぜひご堪能ください。

 桜(はな)が開いて、音楽が始まる。
 春の心地よい夜風とともに、荻窪のちいさなカフェで、ボサノバ・ギターの調べをごゆるりとお楽しみください。


 【アマデュオス・プロフィール】
 ガットギター2本だけで演奏する男女インストゥルメンタル二重奏ユニット
 2008年より首都圏のカフェ、バー、レストランに於ける演奏活動を開始
 生ギターの音色を大切にし、心地良く優しいサウンド空間を演出することを心がけている
 主な演奏レパートリーはボサノヴァの他、国内外のポップス、映画音楽、日本の愛唱歌など多ジャンルにわたる

 【お問合せ・ご予約】
 080・2331・7608(カフェ専用携帯)









[PR]
 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「ディーバ」。
 37年前の1981年3月11日に公開されました。

郵便配達員ジュールはオペラ歌手シンシア・ホーキンスのファンで、パリ公演にやってきた彼女のリサイタルを隠れて録音する。前回の公演では彼女のドレスを盗んだため、返却するために彼女の宿泊ホテルを訪れる。最初は憤慨したシンシアも素朴なジュールと話すうちに心を許し、二人は親密になっていく。その一方で、ジュールの録音したリサイタルテープと、瀕死の売春婦がジュールのミニバイクのカバンに滑り込ませたテープの2本が発端となり、それぞれのテープを追う2組の敵から追われる身となったジュールは、ベトナム人少女アルバとその恋人ゴロディッシュに助けられる...(ウィキペディアより抜粋)

 初めて観たのは、今はなき高円寺の名画座。
 サスペンス、ロマンス、アクション等々、映画のおいしいところが満載なうえ、監督がフランス人、ロケ地がパリとくれば、公開当時誰が考案したか、「ニュー・フレンチ・アクション・シネマ」という吹いてしまいそうな宣伝文句をつけた気持ちもわかります。
 確かに、ジュールの逃走手段に小回りの利くモビレッタ(いわゆる原付)を使う発想はおもしろい。
 刑事の乗る車のしょぼいヘッドライトに、こじんまり浮かび上がっては消え去るパリの夜の街の情景が、疾走感とともに新鮮に映ります。
 いよいよ追い詰められたジュールがバイクもろとも突っ込んだのがメトロの入口。
 長い長い階段を転がり落ちるようにして原付バイクは構内の奥へ。
 意外な侵入者に目を丸くして進路を開ける人々。
 車を乗り捨てた刑事が執念で迫りくると、プラットホームに滑り込んできた車両に間一髪原付ごと乗り込むジュール。
 それでも、あきらめない刑事は走り出した車両最後尾に果敢にしがみつくのでした...
 さて、ジュールの運命やいかに。
 
 先の宣伝文句に従えば、このあたりは見どころとなりましょう。
 帰路につく店主も映画の興奮冷めやらず、バイクのスロットルをつい吹かしてしまったように思います。(当時はもっぱらオートバイであちこち移動しておりました。)

 ジャン=ジャック・ベネックス監督作品では、代表作「ベティ・ブルー」を推す人が多そうですですが、店主は本作のほうがお気に入りです。
 長編デビューとなる本作において、温めていた映像化の案件や小道具使いのアイディアが一気に実現できた監督の喜びがひしひし伝わってきますから。
 自身も言っているように、根っからのシネマ・オタクぶりが次々弾け飛ぶ傑作。
 いつものように夜7時くらいからゆるくスタート。
 お楽しみに。


a0187509_13333448.jpg








 

[PR]
 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「かもめ食堂」。
 12年前の2006年3月11日に公開されました。

フィンランドのヘルシンキに“かもめ食堂”という小さな食堂をオープンした日本人女性サチエ。シンプルな“おにぎり”を看板メニューに、フィンランドの人にも日本食のおいしさを伝えたいと張り切るが、やって来たお客は日本のアニメが好きなおたく青年だけ。それでもめげずに淡々と営業を続けるサチエは、やがて訳ありな2人の日本人女性と出会うのだった...(allcinemaより抜粋)

 本作を観て、カフェ開業を志した方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。
 ヘルシンキでオールロケされた本作は、作中ふんだんに散りばめられたデザイン強国フィンランドを代表的する家具、食器、衣装が話題を呼び、北欧大好き女子の熱狂的支持を獲得。シネスイッチ銀座の初日動員記録を更新するなどヒット作となりました。
 
 店主の場合、開業動機は学生時代まで遡るので、「かもめ」がきっかけというわけではないのですが、当店オープン前、屋号に苦慮していた店主が、苦肉の策でフィンランド語日本語辞典を手にして、Aの部から字面優先で探していって行き当たったのが「ARKKU」でした。
 この「ARKKU」、日本語で「箱」という意味になりますが、広義としては、おもちゃ箱からお棺まで、箱型形状の物全般にわたっている感じです。

 カフェがオープンしてしばらくしたある日、奥様がフィンランドの方だというご夫婦が来店されました。
 奥様曰く、母国で「ARKKU」というと、一般的に、お嫁入りの際に持参する大きな箱(冒険小説に出てきそうな宝箱のイメージでしょうか?)のことで、中には衣類やらベットリネンやらレース飾りを詰め、実家に余裕があるほど大きなものになるんだとか。
 ただ、習わし的にはなくなりつつあるようで、「ARKKU」自体は、居間や玄関のインテリアとして売られていることが多くなってるとのことでした。

 さて、「かもめ」の話に。
 登場人物たちの最後まで暴かれることのない背景、劇的展開のない展開。
 この映画が、ながら見向きとか、BGV代わりとかいわれてしまう所以なのでしょうが、映画の定石を取っ払ったからこそ守れたのが、「かもめ」全編に一貫して流れるゆったり感だともいえます。
 「かもめ」が観たくなるときは、あの異国の食堂にのんびり流れている時間に戻りたいとき。
 店主的には、いつの間にやら、そんな居心地のよさが享受できる「場所」みたいな映画になっておりました。

 いつものように夜7時くらいからゆるくスタート。
 お楽しみに。








[PR]
 3月16日は、中央公論の表紙などデカダンの香り漂うアートワークで知られる金子國義氏の命日であります。

 何年か前に上野で観た「バルデュス」展。
 金子作品において、この画家の影響はやはり明確に認められると思います。
 バルデュスを金子にみせたのは、異端の作家サドを日本に紹介したフランス文学翻訳者であり、作家であった澁澤龍彦であったと伝わっており、この澁澤の推薦で青木画廊における金子國義初個展が1967年開催される運びになるわけですが、この「花咲く乙女たち」展の案内状にこんな澁澤の言葉が残されております。

「私が興味をいだくのは、おのれの城に閉じこもり、小さな壁の孔から、自分だけの光り輝く現実を眺めている、徹底的に反時代的な画家だけである。」

 少女愛的傾向の画家というくくりだけでは、この一文の真意はみえてこないと思われます。時代に迎合せず厳格に独自の画風を磨き上げることに注力し続けたという意味でバルデュス、そして、金子國義に当てはまる定義ではないでしょうか。
 アルックでは、金子國義氏を偲び、縁あって手元にある金子作品の特別展覧会を開催いたします。
 3点のみのプチ展覧ではありますが、衝撃的デビューを飾った頃に描かれたみずみずしい感性に溢れた木炭画が2点、金子氏が自室に長く飾ってあったというリトグラフが1点という興味深い内容のものです。
 この機会に金子氏が愛して止まなかった魔法の王国の住人たちにぜひ会いにいらしてください。

 
 「リアル・デカダンス 金子國義プチ展覧会」
 カフェ/ギャラリー/バー アルック
 3月16日(金)-4月16日(月) *開催時間はカフェの営業時間に準じます(日曜祝日定休)

 アルックでは、店内スペースを利用し展示するアーティストを募集しております。
 詳細は、ギャラリーご利用規約をご覧ください。

 【お問い合わせ】080-2331-7608(カフェ専用)



 金子國義「姉妹」
 1994年 リトグラフ







[PR]
 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「グランド・ブタペスト・ホテル」。
 4年前の2014年3月7日に公開されました。
 
1930年代、仮想の国ズブロフカ共和国が物語の舞台である。また、時間軸は1930年代と1960年代、現代の3つである。名の知れたホテルのコンシェルジュあるグスタヴ・Hはマダム・Dと一夜を共にする。その後、マダム・Dは何者かに殺されてしまう。彼女は遺言で「リンゴを持つ少年」の絵をグスタヴに譲ろうとした。しかし、マダムの息子ドミトリーはグスタヴに母を殺した罪を着せて復讐しようとしていた。グスタヴはドミトリーに絵を奪われないように、ベルボーイのゼロとその思い人のアガサの力を借り、ヨーロッパ大陸を飛び回るのだった。(ウィキペディアより)

 監督は、ウェス・アンダーソン。
 近年最も注目を浴びる若手のひとりであるのは言わずと知れたところ。
 次回作を待望する熱狂的ファン、出演を熱望する多くの俳優たちはもちろん、美術セットをパクるインテリアデザイナーやコレクションテーマのネタ元にしようというファッションデザイナーまでいるというのですから、その影響力たるや、ハリウッドの枠にとどまらず絶大なものがあります。
 映像作家としての傑出した技量を評価される彼ですが、加えて、この人なかなかのグッドルッキングガイ。
 往年のヒッチコックやウディ・アレンには失礼ですが、業界のアイコンとなるべく要素をこの上なく備えているわけです。

 さて、本作「グランド・ブタペスト・ホテル」は、そのウェス・アンダーソンの最新作にして最大のヒット作になりました。
 あの夏の暑い日の昼下がり、上映館を探し求めて、新宿、銀座を歩き回ったものの、結局観れなかった本作。
 もちろん、心待ちにしていたDVDレンタル解禁後速攻拝見いたしましたが。

 いつものように、夜7時くらいからゆるくスタート。
 お楽しみに。

a0187509_15112082.jpg








[PR]
 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”というのが、本来アルック座で取り上げる作品の選定条件なのですが、今夜はそのルールを逸脱いたしまして、ダニエルズ(ダニエル・シャイナー&ダニエル・クワン)監督「スイス・アーミー・マン」をおおくりいたします。
 何故か。
 この作品、昨年11月に吉祥寺で観たばかりといえば観たばかり。
 にもかかわらず、今一度観てみたい!という気持ちがじわじわ湧き上がってきてしまったというのがその理由でありますが、とにもかくにも、のちの世に語り継がれていくであろう噂通りの珍品中の珍品でありました。

 無人島に流れ着いたハンクは絶望から自死しようとしていた。その矢先、彼は浜辺に打ち上げられていた死体を発見した。ハンクは人工呼吸による蘇生を試みたが、失敗に終わってしまった。その死体はガスで膨れ上がっており、水に浮いていた。しかも、ガスの排出によって、死体は沖合に出ようとしていた。死体に飛び乗ったハンクは、ジェットスキーの要領で死体に乗って沖合へと向かった。何とか大きな島にたどり着けたものの、そこも無人島であることには変わりなかった。その夜、ハンクは死体と共に洞窟で眠りについた。夜の間に降った雨水が死体の口の中に流れ込んだ結果、死体は飲料水の供給源となった。さらに驚くべきことに、死体は英語を話し始め、自らをメニーと名乗った…。(ウィキペディアより抜粋)

 「グランド・フィナーレ」で当たり役のイメージと決別しきれない映画スターを演じて不思議な存在感を放っていたポール・ダノとハリポタのダニエル・ラドクリフが共演する作品とうことで興味をひかれた本作でしたが、そもそも、タイトルが変!
 もちろんあのスイス・アーミー・ナイフが由来なのですが、「十得ナイフ男」こと死体のメニ―には、サバイバル生活に欠くことができない様々な機能が備わっているという設定。公式サイトによれば、カッター、水筒、銃、火打石、斧、ジェット噴射、バーナーなどなど。
 
 さて、自殺に及ぼうとまでした生きる気ゼロの男と、生き残るためのツール的役回りの死体という一見道理に合わないこのコンビは、はたして無人島から生還できるのでしょうか。
 生還といっても片方はすでに生きてはいないわけなのですが...。

 いつものように夜7時くらいからゆるくスタート。
 お楽しみに。

a0187509_19101865.jpg







[PR]