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 店主の好きな映画を、その映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞して、当時の季節感もろとも味わってしまおうというお馴染み企画、金曜アルック座。
 ところが、先週に続いて今週もそのルールに当てはまる映画が見当たりません。
 そこで今回も音楽ドキュメンタリー映画をセレクト。傑作「ラスト・ワルツ」です。

 60年にロニー・ホーキンスのバック・バンドとして活動を始めた“ザ・バンド”が、76年11月25日、彼らが初公演を開いた場所、サンフランシスコのウィンターランドで解散コンサートを行った。これはそのドキュメンタリー・フィルムなのだが、監督が曲者スコセッシ(「ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間」や「エルビス・オン・ツアー」のカッターだった)だけあって、完全な彼のコントロールの下で、当代一流のカメラマンを配して、一つの映像作品として独立した内容を持っている(何しろ300ページもの詳細な台本通りに運ばれたライヴなのだ。もちろん事前の入念なリハーサル付きで!)。実際は6時間に及んだ公演内容のハイライトを紡いで、スコセッシ自身による、これまた挑発的なインタヴューがその間隙を埋め、ちょっと窮屈なくらいよく練られた一篇。B・ディランを初め、N・ヤング、J・ミッチェル、M・ウォーターズ……アメリカン・ロックファンには垂涎のメンバーがいずれも素晴らしい演奏を披露する。哀愁たっぷりの“ラスト・ワルツ”のテーマも胸に切々と沁み、激動の60年代への挽歌と呼ばれる由縁である。But,R&R Can Never Die (allcinema 解説より抜粋).

 ザ・バンドと彼らゆかりのミュージシャンたちによる演奏シーンが本作の最大の見どころであるのは言うまでもありませんが、この解散コンサート本編に入る前の、つまりはカメラが回される前の宴のプロローグが実に興味深いのであります。
 このコンサートはなんとディナー付きでした。
 当日11月25日は感謝祭ということで、メインは七面鳥でしたが、ぺスキタリアンのためにサーモンまで用意してある徹底ぶり。アリーナはテーブルセッティングで、二階席はヴュッフェ形式。
 そして、開演1時間前にはワルツ・タイムが。
 演奏はフルオーケストラ。プロダンサーたちのデモンストレーションに続いて観客も参加して楽しんだといいます。
 そうして、テーブルが撤去され、紙吹雪が舞い落ちてきて、いよいよ開幕...。

 ロックコンサートでありながら、なんと優雅な幕開けでしょうか。
 ザ・バンドのフィナーレにふさわしい極上の演出であります
 コンサートの全体像に思いをはせて本編を観ますと、タイトルの「ラスト・ワルツ」が考え抜かれた言葉選びだったと納得してしまいます。

 いつものように夜7時位からスタート。
 お楽しみに。

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 店主の好きな映画を、その映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞して、当時の季節感もろとも味わってしまおうというお馴染み企画、金曜アルック座。
 ところが、今週はそのルールに当てはまる映画が見当たりません。
 そこで今回は趣向を変えて、音楽ドキュメンタリー「バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち」を。

 マイケル・ジャクソンミック・ジャガーブルース・スプリングスティーンスティーヴィー・ワンダースティングなどの音楽界のトップスターを影で支えてきたバックシンガー。しかし、数々のヒット・ソング で記憶に残るハーモニーを訊かせてきた彼女たちの名前が知られることはほとんどない。トップシンガー達と変わらないほどの実力を持ち、いつかはステージのメインに立とうと夢見るバックシンガー。バックシンガーに誇りを持ち、今でも一線で活躍するもの。音楽業界に利用され、夢を打ち砕かれたもの。運に恵まれたもの、そうでなかったもの。これまでスターの影に隠れていた彼女達に初めてスポットライトを当てた本作は、傷つけられても、歌うことに喜びを見出し、音楽を愛し続けた名もなき歌姫たちの人生を描く。(ウィキペディアより)

 スターシンガーの後方でステージを盛り上げる女性バックシンガー。
 同じステージに立てるということは、歌い手的資質は同等であるという意味合いにはなれど、世間からの注目度には雲泥の開きが。
 原題の「20 Feet from Stardom」にある両者の立ち位置20フィート(約6メートル)の距離は、すなわち、トップシンガーになれたものと、なれなかったものの差。
 本作は、それでも彼女たちをステージの向かわせるモチベーションの源泉を探った記録であります。
 彼女たち自身から語られる言葉はもちろん、トップスターのバックシンガーに対する思い入れたっぷりの証言インタビューも興味深いものがあります。

 いつものように夜7時からスタート。
 お楽しみに。

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 店主の好きな映画を、その映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞して、当時の季節感もろとも味わってしまおうというお馴染み企画、金曜アルック座。
 ところが、今週はそのルールに当てはまる映画が見当たりません。
 そこで今回は趣向を変えて、音楽ドキュメンタリー「ウッドストック/愛と平和と音楽の三日間」を。
 季節は野外フェスのシーズン目前となりました。
 そんな現在に至る大規模フェスの先駆けであり、60年代アメリカのカウンターカルチャーを象徴する事件ともいえる47年前の伝説のコンサートに思いを馳せてみるとしましょう。

 
1969年8月15日から3日間、ニューヨーク郊外ベセルの丘で、ロックの人気アーチスト多数が出演して、愛と平和と音楽の祭典が開かれた。これが世界の注目を浴びたウッドストック・フェスティバルである。企画者は、当時24歳の大富豪の御曹司ジョン・ロバーツ。彼はこの企画に10億円の私財を投げ出した。開催当日、ウッドストックに集まった若者は、予想を大幅に上回って40万人。この群集の混乱をさけるため、ロックのアイドルたちは、次々とヘリコプターで会場に運ばれた。彼らは叫ぶがごとく、泣くがごとく、昼夜ぶっ通しで歌い、演奏をつづけた。死者3人、病人5千人、出産2件を記録しながらも、アーチストと観衆が真の意味でひとつにつながりながら、ともに歌い、ともに踊った。若者たちの多くは、身につけている衣服を次々と脱ぎ、ある者は全裸になって、自然の大きな抱擁に身をまかせていた。現代の若者たちを縛りつける、あらゆる慣習、偏見はそこにはなかった。あるのは平和と音楽と、かけがえのない愛の姿であった。おりからの風雨の中でも、泥と食料難の3日間、若者たちは、歌から芽ばえた連隊感をもって、平和を謳歌した。それは体制内に出現した輝ける自治体であった...(KINENOTOより抜粋)


 店主もそうでしたが、名前にあるとおりこのコンサートは、ずばりウッドストックという街で開かれたものだと思われてる方が大半だと思います。
 主催者サイドも、古くから画家が集うアート・コロニーとして知られ、ボブ・ディランらアーティストたちも住んでいたこの地での開催を当然目論んでいたのですが、ピッピ―に占拠されるのではという過剰反応を示す周辺住民の反対運動に計画変更を余儀なくされ、もとの開催地の名前を残したまま、隣り街のベゼル(ニューヨーク市の北西120キロ)で開催される運びになったのでした。

 ウッドストックの翌年には、この世を去ることになるジャニス・ジョプリンや、ジミ・ヘンドリックス。そして今や、その後に天に召された参加ミュージシャンがずいぶん多くなってしまいました。
 しかしながら、彼らのプレイはもちろん、カウンター・カルチャーと結びついて新しいパワーをたはらみ始めたロックの目撃者となった聴衆が放つ熱量たるや今だ本作画面の端々に満ちております。

 ちなみにこの作品、編集に若き日のマーティン・スコセッシもクレジットされていて、第43回アカデミー賞において長編ドキュメンタリー映画賞を受賞しております。

 いつものように夜7時位からスタート。
 お楽しみに。

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 ”好きな映画がロードショー公開された季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「C階段」。
 33年前の6月6日に公開されました。

 ...パリのありふれたアパルトマンの“C階段”を舞台に、そこに住むスノッブで皮肉屋の美術評論家を主人公にすえて、彼がふれ合う人々の暮らしや、他人との軋轢の中で人間的に成熟していくさまを描く...(allcinemaより抜粋)

 フランス映画らしい小品。
 フランス映画らしさって、もちろん一義的ではありませんが、およそ修復不可能なくらい事件が続出しながら最終的にハッピーエンドに納まる典型的アメリカ映画のことを、故安西水丸さんは「アメリカばなし」とよばれておりましたが、くらべて、本作のように、大事態はほぼ起こらず、淡々とした語り口で綴られるというのはフランス映画にみられる一面といってもいいでしょう。

 「アメリカばなし」に馴染まれてる方には、「退屈な映画」と烙印を押されてしまう危険性もありますが、監督や脚本家、カメラマンの美学が色濃く反映された作品に流れる首尾一貫したある種のムードは、それが好みのものであった場合、たまらない深みとして感じられるのもまたフランス映画の「らしさ」であります。

 さて、若き頃より、シネフィル(映画狂)だった本作監督ジャン=シャルル・タルケは、19歳で映画批評誌「レクラン・フランセ」に入社します。
 この雑誌には、印象派の巨匠ルノワールの次男であり、映画監督であったジャン・ルノワールが協力者として名を連ねておりました。
 彼とタルケ監督に親交があったかどうかは定かではありませんが、本作には、主人公フォステルの心情に影響する小道具として、ルノワール作「じょうろを持つ少女」が使われています。本作でも印象に残るシーンのひとつが、パリ市内の美術館でフォステルがこの画に魅入られるところです。
 
 ところが、「じょうろを持つ少女」は、実際はアメリカのワシントンナショナルギャラリーの所蔵作品です。
 当然、パリにも他に、ルノワールの代表作はわんさかありますが、タルケ監督は架空の美術館を敢えて設定したということになります。
 主人公が目にすべき作品は、この「少女」でなければならなかった理由は、本作をご覧になって推論してみてください。

 いつものように、午後7時ごろからスタートいたします。
 お楽しみに。

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 ピエール・オーギュスト・ルノワール 「じょうろをもつ少女」 
 1876年 油彩、カンヴァス 100.0x73.0cm 
 ワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵




 5月18日は、ジョイ・ディヴィジョンのボーカリストであり、作詩を担当していた、イアン・カーティスの36回目の命日でした。
 27クラブ(ブライアン・ジョーンズ、ジミ・ヘンドリックス、ジャニス・ジョプリン、ジム・モリソンをはじめ、27歳で他界したミュージシャンたちを指します)の入会資格にまだまだ満たない23歳という若さでの自死。
 悪化する癲癇の発作や、愛人絡みの色恋沙汰による心身の疲弊が引き金になったとされてます。
 それは、ポスト・パンクを牽引するバンドのフロントマンとして注目度もうなぎ登りの最中のことであり、成功が見込まれた初全米ツアーへ旅立つはずだった前日のことでありました。

 たとえば、前出のジム・モリソンを失ったドアーズはその後も活動を続けましたが、かつての輝きを取り戻すことなく、表舞台から消えていきました。
 さて、同じようにカリスマを失ったジョイ・ディヴィジョンのメンバーたちはというと、「ニュー・オーダー」となり、皮肉にも、イアンが亡くなった月曜日のことを歌った「Blue Monday」がヒットチャートを駆け上がり、これ以降、モンスターバンドへと飛躍することになります。

 イアンの命日から一週間後、先々日行われたニュー・オーダーのライブのアンコールでは「 Love Will Tear Us Apart」(ジョイ・ディヴィジョンのナンバー。ある意味セルフカバーともいえますね。)が演奏されました。
 追悼の意もあったのでしょう。ステージ後方のスクリーンにはイアンのポートレートが映し出されておりました。

 今夜のアルック座は、ジョイ・ディヴィジョン、そしてニュー・オーダーが所属していた、世界一メジャーな?インディ・レーベル、ファクトリー・レコードの成功と破綻を描いた嘘のような本当の物語、「24アワー・パーティ・ピープル」です。

 1976年6月4日、不況の嵐が吹き荒れるマンチェスターのレッサー・フリー・トレイド・ホールで行われたセックス・ピストルズのライヴ。観客は42人、その中には後にシンプリー・レッドを結成するミック・ハックネル、後にジョイ・ディヴィジョンとなるワルシャワのメンバー、後にバズ・コックスのメンバーとなるハワード・ディヴォード、後にザ・スミスのメンバーとなるモリッシー、ニュース・キャスターであり後にファクトリー・レコードを創設するトニー・ウィルソンがいた。
 物語はウィルソンと4人の若者によるサクセス・ストーリー。俳優のアラン・イラズマス、マネージャーのロブ・グレイトン、プロデュ−サーのマーティン・ハネット、そして後にニュー・オーダーなどファクトリー所属アーティストのアルバムジャケットなどを手掛けるようになるピーター・サヴィル。そしてウィルソンが創設したファクトリー・レコードから生まれた音楽、そのファクトリーが手掛けた大型クラブ「ハシエンダ」がひとつのムーヴメント、時代、伝説を築き上げていくが...。(ウィキペディアより)

 ところで、ファクトリー・レコード創設者のトニー・ウィルソンをはじめ、マンチェスターを音楽シーンの最重要都市へと変貌させる立役者たちが集った伝説のピストルズのギグに、実はイアン・カーティスは遭遇していません。(正確には、同年7月20日に行われた2回目のギグは観ているとのこと)
 そういった意味で、転んでもただでは起きない破天荒で夢多き「ファクトリー・ファミリー」の男たちと、内面世界に深く没して孤独に打ち震える詩を綴ったイアン・カーティスとは、当初からどこか運命のずれがあったのかもしれません。


 いつものように夜7時からスタート。

 お楽しみに。

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