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 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、フェデリコ・フェリーニ監督「ジンジャーとフレッド」。
 実は店主、33年前の2月23日、イタリア本国ミラノにて本作を観ております。

ハリウッドの名ダンス・コンビにあやかった芸名で、かつてそこそこ人気を博したアメリアとピッポは、クリスマスのTV番組出演で30年ぶりの再会を果たす。TVの速いテンポに戸惑う二人だが、甘いノスタルジーに浸ったり、過去のあやまちを悔いたりするうち、恋人同士でもあった頃の感情を取り戻していく。だが今はそれぞれの生活もあり、出番を終えれば再び別れゆくのだ……。(allcinemaより抜粋)

 古い話ですが、当時学生だった店主はヨーロッパで美術館巡りをしておりました。
 なぜに日付がはっきりしているのかというと道中日記をつけていたからで、読み返してみますと、この日は早朝バスでミラノ入りし、ダヴィンチの「最後の晩餐」、カラヴァッジョの「エマオの晩餐」を鑑賞しており、いささかテンション高めです。
 いきさつは忘れましたが、晩餐!後(日記によれば、貧乏学生お決まりの主食、マックのビッグバーガー)、フェリーニの新作がロードショーにかかっていることをどこかで聞きつけ、ガレリアあたりにあった映画館を探し当てて観たのでした。
 
 当然字幕はなしのイタリア語。
 ほとんど会話の内容をつかめなかったはずでありますが、そこは、マルチェロ・マストロヤンニとジュリエッタ・マシーナ。
 イタリア映画界の至宝二人の枯れた演技は、この日映画館を訪れたミラネーゼにも、日本から来たひよっこ大学生にも、フェリーニがこの映画に込めた思いをわけ隔てなく伝え届けてくれたようでした。
 テレビ局の招待でクリスマス大演芸大会?に出演することになった二人。
 晩年を迎えた芸人コンビの30年ぶりの再会です。
 時間の経過というものは、思い出を増幅させたりもしますが、異質に変化させたりもします。
 それは、残酷でもありますが、否応なしに美しかったりするわけです。

 名優二人も名匠フェリーニも、そろって60代にさしかかってから撮った「ジンジャーとフレッド」。
 晩年の3人の現実まで透けてみえるような映画であります。
 「ラストは泣けた、泣けた。」
 本作を観た日の日記の稚拙な締め繰り。
 ちなみに、本日2月22日は、フェリーニ夫人でもあったジュリエッタ・マシーナの誕生日でもあります。

 いつものように夜7時からゆるくスタート。
 お楽しみに。
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 毎月最終土曜の夜恒例、アルック・プレゼンツ・”アマデュオス”ボサノバ投銭ライブを週末23日に開催します!
 いつものように、アマデュオスの二人が客席のまん真ん中に腰掛け演奏いたします。
 マイクを介さずすぐ傍らで鳴り響くギターの生音のすばらしさをご堪能ください。

 3回ステージ(演目は各回変わります)で、1st・PM7時 2nd・PM8時 3rd・PM9時、それぞれスタート。
 ワンステージだけでも、通しで全部聴かれて、お客様次第でOK。
 元々ノンチャージの当店ですが、ライブの際も席料等はございません。
 ただし、彼らの演奏を聴かれて応援したくなったお客さまのために?、投銭入れをご用意いたしますので、お会計のあとチャリ~ンと入れていただければ幸いです。

 雨水も過ぎ、陽ざしにも時折春を感じる今日この頃、荻窪のちいさなカフェで、ほっこり温かいギター演奏をごゆるりとお楽しみください。


 【アマデュオス・プロフィール】
 ガットギター2本だけで演奏する男女インストゥルメンタル二重奏ユニット
 2008年より首都圏のカフェ、バー、レストランに於ける演奏活動を開始
 生ギターの音色を大切にし、心地良く優しいサウンド空間を演出することを心がけている
 主な演奏レパートリーはボサノヴァの他、国内外のポップス、映画音楽、日本の愛唱歌など多ジャンルにわたる

 【お問合せ・ご予約】
 050・5438・2276(カフェ専用携帯)


 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「ワン・フロム・ザ・ハート」。
 37年前の1982年2月12日に公開されました。

7月4日の独立記念日を明日に控えた、ラスベガスの街。ツーリスト・ビューローに勤めるフラニーの夢は南洋のボラボラ島へ行くこと。そして同棲生活5年目を迎える恋人ハンクはそんな島へ行く事よりも彼女との平凡な家庭生活を密かに望んでいた。そしてそのような性格不一致の二人はささいな事からケンカ、フラニーは遂に家を出ていってしまう……。(TSUTAYAサイトより抜粋)

 個人的好きさ加減と世間的評価がこれほど激しくかい離している映画もそうそうありません。
 公開当時、批評家からこき下ろされるは、興行的に振るわないわで、首が回らなくなってしまったコッポラ監督は手塩にかけた自身のスタジオを手放す憂き目にあってしまいます。
 そんないわくつきの本作ですが、これが店主にとっては若かりし頃からの愛すべき一本でありまして。

 
 巷間伝えるところによれば、「地獄の黙示録」の制作過程で悪天候に散々悩まされた轍を踏まないようにと、本作は全編セット組みされてスタジオ撮影が敢行されました。ネオン街も、砂漠も、空港もすべてロケセット。
 欲しい映像への執着も相当で、砂丘の柔らかな起伏を撮りたいがために、砂地に横になった女性を埋没させてそのラインを狙ったという逸話まで残っております。

 資金を圧迫した問題のロケセットですが、これがオペラ舞台の書割並みのしつらえにしか見えません。(巨大なジェット機の模型が画面を覆い隠すようにして飛び去るシーンには息を呑んでしまいますが)
 もともとリアリティは無視されていて、あえて「映画の嘘」を露出させているようなところがあります。
 サーカス一座のダンサー役でナスターシャ・キンスキーが出演しているのですが、時代のミューズだった彼女の眼力全開の美しささえロケセットの延長のような空虚さに包まれています。

 コッポラにとっては、カメラで切り取った際の様式美と映画全体をファンタジーの被膜で包み込むことが大優先だったのでしょう。
 結果的に、コッポラの狙いどころは成功していると思います。
 商業的な敗北を除いては。
 いずれにしても、現代の映画作りの現場からは生まれようもない究極のこだわりが、非現実的な映像美をまとった平凡なラブストーリーという素晴らしき差異に満ちた映画を残したわけです。

 いつものように夜7時くらいからゆるくスタート。
 お楽しみに。

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 今夜のアルック座は、現代のコーヒーカルチャーを追った、知られざる「Seed to Cup(種からカップまで)」の物語をお送りします。
 世界中に足を運び、畑からカフェの現場まで、コーヒーの世界を美しく紡いだ本作を観たならば、思わず一杯注文したくなること請け合い。
 コーヒー好きはもちろん、コーヒーがちよっと苦手という人にとっても、この琥珀色の液体に囚われた人々の映像記録は興味深く観ていただけると思います。

わたしたちの暮らしに欠かすことができなくなった“コーヒー"。あの赤い果実がどのようにして、目覚めの一杯になるのだろうか?生産、豆の選定、精製、焙煎、抽出……普段目にすることがないコーヒー豆たちのはるかなる冒険譚、Seed to Cup(種からカップまで)を、本作は美しい映像で描きだす。ニューヨーク、サンフランシスコ、ポートランド、シアトル、そして東京。コーヒーカルチャーを牽引する5つの都市で活躍する、今、最も重要なコーヒーのプロフェッショナルたちをカメラは追う。
この世界を席巻するコーヒーカルチャーの新潮流を描いたドキュメンタリーを手がけたのは、自らもコーヒーギークであるブランドン・ローパー監督。コーヒーへの深い愛情が育んだ本作は、琥珀色の神秘の液体の奥深い世界へいざなう招待状。観た後は、コーヒーがより身近に、より愛しく思えるだろう。(アマゾンより抜粋)
 
 いつものように夜7時くらいからゆるくスタート。
 お楽しみに。

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 ”好きな映画がロードショー公開された月に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「ニュー・シネマ・パラダイス」。
 1988年11月17日(伊)に公開されました。(二か月半ほどずれてしまいましたね。)

映画監督サルヴァトーレのもとにある晩、故郷の母から電話が来て、アルフレードが死んだことを告げる。

第二次大戦中、「トト」と呼ばれていた幼いサルヴァトーレ少年は、シチリア島の村で母と妹と暮らしている。父は戦争に行ったきり、なかなか帰ってこない。当時、村のたった一つの娯楽施設は、村の中心の広場にある、教会を兼用した小さな映画館だった。

新作の輸入映画のかかる夜、村人たちはみな映画館に集まり、スクリーンに声援を送り、また教会の謹厳な司祭が削除させたキスシーンのある箇所では、揃ってブーイングを鳴らすのだった。

映画に魅了されたトトは何度も映写室に入り込んで、そのたび映写技師のアルフレードにつまみ出されていた。次第に2人は親しくなり、アルフレードはトトに映写機の操作を教えるようになる。ある晩、映画館が火事になり、フィルムを救い出そうとしたアルフレードは火傷で視力を失った。やがて父親の戦死が伝えられ、トトは新しく建て直された映画館「新パラダイス座(Nuovo Cinema Paradiso)」で映写技師として働き、家計を支えるようになった。

年月が過ぎ、ローマで映画監督として成功し、中年となったトト=サルヴァトーレは、アルフレードの葬儀に出席するため、年老いた母の待つ故郷の村に帰ってきた。そこで彼は「新パラダイス座」がすでに閉館し、建物の取り壊しも近いことを知る…。(ウィキペディアより抜粋)


 いつものように夜7時くらいからゆるくスタート。

 お楽しみに。


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 ”好きな映画がロードショー公開された月に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「チャンス」。
 1979年12月19日(米)に公開されました。(少々ずれました。)

知的障害があって読み書きもできないでテレビばかり見ている庭師のチャンスは物心ついた頃から住み込みで働いていた家の当主の死を知らされるが、意味を理解できないでいる。代理人の弁護士から命じられて、今まで出たことがなかった屋敷を出されることになった。

チャンスは町に出て、さ迷い歩いているところ高級車に接触してしまい、乗っていたエヴァから家での治療を勧められ招かれる。そこで病のため寝たきりのエヴァの夫であり経済界の立役者であるベンジャミンとも知り合うことになる。

ベンジャミンはチャンスを事業に失敗して家財を失った実業家であると早合点し、チャンスの単なる庭の手入れや植物の生長の話を「経営者は庭師みたいなものだ」と「経済畑」の話と早合点し、不況下にある米国を立て直す暗喩であると考えて大統領、経済人に彼を紹介することにした...。(ウィキペディアより抜粋)


 いつものように夜7時くらいからゆるくスタート。
 お楽しみに。

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 毎月最終土曜の夜恒例、アルック・プレゼンツ・”アマデュオス”ボサノバ投銭ライブを週末26日に開催します! 

 3回ステージ(演目は各回変わります)で、1st・PM7時 2nd・PM8時 3rd・PM9時、それぞれスタート。
 ワンステージだけでも、通しで全部聴かれて、お客様次第でOK。

 元々ノンチャージの当店ですが、ライブの際も席料等はございません。
 ただし、彼らの演奏を聴かれて応援したくなったお客さまのために?、投銭入れをご用意いたしますので、お会計のあとチャリ~ンと入れていただければ幸いです。

 「ステージ」と「客席」の垣根を取り払い、アマデュオスの二人が壁沿いにぐるりと設置されているベンチシート中央に腰掛け演奏する形態に模様替えして早一年を経ました。
 この二人をとり囲むようにして聴いていただく、ソファ・サウンズ(ライブハウスなどの商業施設ではなく、リビングルームをはじめとするプライベートな空間で心地よい音楽体験をシェアするイベント。2009年ロンドン発祥。)の発想は当店におけるアマデュオスのライブスタイルとしてすっかり定着したようであります。
 どうぞマイクを介さないすぐ傍らで鳴り響くギターの生音のすばらしさをご堪能あれ。

 北国育ちの店主も思わず肩をすくめる寒さが続く今日この頃ですが、荻窪のちいさなカフェで、ほっこり温かいギター演奏をごゆるりとお楽しみください。


 【アマデュオス・プロフィール】
 ガットギター2本だけで演奏する男女インストゥルメンタル二重奏ユニット
 2008年より首都圏のカフェ、バー、レストランに於ける演奏活動を開始
 生ギターの音色を大切にし、心地良く優しいサウンド空間を演出することを心がけている
 主な演奏レパートリーはボサノヴァの他、国内外のポップス、映画音楽、日本の愛唱歌など多ジャンルにわたる

 【お問合せ・ご予約】
 050・5438・2276(カフェ専用携帯)







 1月20日は、オードリー・ヘップバーンの25回目の命日にあたります。
 先週に引き続き、この稀代の名女優を偲んでお送りする今夜のアルック座は、1967年に公開された「いつも2人で」。
 数あるヘップバーン作品のなかでも、店主一番のお気に入りであります。
  

 人生はいつも長い旅路。出会いと別れ、喧嘩と仲直り、熱愛と惰性……倦怠期を迎えた結婚12年目の夫婦が今再び愛を取り戻そうと旅に出る...(DVD解説より)

 本作原題は、「TOW FOR THE ROAD」。
 一組の夫婦が、出会いから12年の間に、フランスに通じる街道を6度旅します。その時々の二人の関係性、身の回りの状況は、当然の如く変化していくわけですが、旅の舞台は、いつも同じ道という設定。
 時間軸が一部交錯してしたり、瞬時に次の旅に切り替わるややこしい演出もあるので、旅のお伴である車を手掛かりに、二人の旅の軌跡を並べてみました。ちなみに、()内の数字は映画にでてくる順番。

 1回目の旅(1)ジョアンナ(オードリー)とマーク(アルバート・フィニー)が出会った学生時代のヒッチハイク

 2回目の旅(3)車が買えない二人はマークの元カノ家族とのチープなアメ車の旅に

 3回目の旅(2)ようやく購入できた中古のMGでの二人旅、ジョアンナは妊娠中

 4回目の旅(4)赤いオープンカーでのマークの一人旅、ジョアンナは生まれた子供の世話で留守番

 5回目の旅(5)子供と一緒に3人で、車は同じく赤のオープンカー

 6回目の旅(6)現在の二人、車は白のベンツに格上げ

 公開当時、38歳になっていたオードリーは、あの妖精の如き可憐さのアピールこそ少なくなったものの、7歳下のアルバート・フィニー相手に、エレガントな麗しさをたたえた大人の女優として、貫録の演技を魅せております。
 「いつも2人で」は、オードリーといえばジバンシーというイメージを断ち切った作品でもありました。89着に及ぶプレタポルテが衣装として乱舞する本作は、60年代というテーマで、オードリー・ヘップバーン単独ファッションショーを3回分くらい観たような贅沢な気分を味わえます。
 いろんな意味で新境地を開いたオードリーではありましたが、残念ながら次作『暗くなるまで待って』出演後、家庭を優先するがために一時女優業から身を引くことになるのでした。

 本作のもう一人の立役者は、間違いなくスコアラー、ヘンリー・マンシー二でしょう。
 夫婦間の葛藤の収め方はさまざまでありましょうが、スター中のスター、オードリーを主役に迎え、実験的手法で撮られた倦怠期な夫婦ロードムービーという異色の本作においてでさえ、マンシーニの泣きそうなくらいノスタルジックなテーマ曲がラストシーンに流れてくると、「なんだかんだいっても」とか、「いろいろあったけど」とか、ありがちな文節で締めくくるのが許されてしまう気になってしまう。
 全部さらっていってしまう音楽の力、映画におけるスコアの重要性を、あらためて認識させられる作品であります。

 いつものように、午後7時くらいからゆるくスタート。
 お楽しみに。

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 1月20日は、オードリー・ヘップバーンの25回目の命日にあたります。
 アルック座では、”Audrey January”と銘打ちまして、2週連続でヘップバーン主演作を取り上げます。
 というわけで、彼女を偲ぶ今夜の作品は、1961年に公開された『ティファニーで朝食を』。
 
 いうまでもなく、ヘップバーンの代表作である本作。
 原作は、ノーマン・メイラーをして「もっとも完璧に近い作家」と言わしめた早熟の天才トルーマン・カポーティ。
 小説の映画化となるとよく起きがちなことですが、『ティファニー』にしても、小説と映画で描かれている世界観の差異が甚だしい作品として挙げられることが多いといっていいでしょう。
 
 事実、カポーティが映画化を許可した第一条件は、主演にマリリン・モンローを据えるということだったといいます。
 主人公のホリーが高級娼婦とも捉えられかねない設定であったことから、モンロー側がイメージ低下を嫌ってこのキャスティングは頓挫。カポーティは、ヘップバーンがホリー役を演じることになり、彼女に合わせてシナリオを書き直すことにしたパラマウント社に不快感を表したといいますから、この主役交代劇によって、小説と映画が別物になってしまうことを予見していたのでしょう。

 とはいえ、2008年に小説『ティファニー』の新訳を手掛けた村上春樹氏もあとがきで述べておりますが、原作とかい離しているからといって、その映画自体の出来栄えを左右ものでもありません。
 ・・・映画は映画として面白かった。あの時代のニューヨークの風景がとても美しく楽しく描かれていた。だから映画と比較してとやかく言うのはもうやめよう。・・・
 ただ、春樹氏は、原作に忠実なリメイクを望めないものかと続けております。すると、新たな悩みが。
 ・・・なかなか具体的な名前が思い浮かばない。困りますね。本を読みながら、どんな女優がホリーに相応しいか、ちょっと考えてみて下さい。・・・

 「ティファニーの店内にいるみたいな気持ちにさせてくれる場所が、この現実の世界のどこかに見つかれば、家具も揃え、猫に名前をつけてやることだってできるのにな。(村上春樹訳)」
 小説版『ティファニー』で、主人公ホリーは、「ティファニーみたいなところ」を、「自分といろんなものごとがひとつになれる場所」とも語ります。
 そこは、真の安らぎを得られるシェルターのようなところなのでしょうか。
 となるとです、原作に沿うならば、タイトルは「ティファニー(のような場所)で朝食を」というニュアンスをもちえているのかもしれません。
 映画の試写を観たカポーティは椅子からずり落ちんばかりに驚いたといいます。
 早朝、ティファニーのショー・ウィンドウ前で、朝食のクロワッサンをヘップバーンにかじらせるタイトルずばりのベタな設定で映画が始まったからでした。

 原作とかけ離れた演出に、カポーティは茫然自失といったところでしょうが、ジバンシーの黒いドレスをまとったヘップバーン、朝もや煙るマンハッタン五番街、そして流れるは、ヘンリー・マンシー二のあの「ムーン・リバー」。
 このあまりにも有名な、映画版『ティファニー』のオープニングの完璧な美しさには、何度観てもため息をついてしまいます。

 いつものように、夜7時くらいからゆるくスタート。
 お楽しみに。

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 ”好きな映画がロードショー公開された月に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「ラ・ラ・ランド」。
 2017年12月9日(米)に公開されました。


舞台はロスアンゼルス。高速道路は朝の大渋滞となっており、多くのドライバーが苛つきからクラクションを鳴らしている。渋滞の中に巻き込まれていたミア(エマ・ストーン)は女優の卵で、車中で台詞を覚えようとするが、後続車を運転していたセブ(ライアン・ゴズリング)に煽られて悪態をつく。ハリウッドにある撮影所でカフェ店員として働きつつ夢を追うミアだが、オーディションの結果は散々で、一向に役はもらえない。一方のセブはジャズピアニストで、歴史ある店が売れないジャズを諦める現状を嘆き、古き良きジャズを愛でる自分の店を開く夢を持つが、実際には姉ローラ(ローズマリー・デウィット)にも身を固めるよう諭される始末である。ある日例によってオーディションに落ちたミアは、ルームメイトの3人に誘われ、クリスマス・パーティに参加することになる。顔を売るための出席だったが思うようには行かず、挙げ句車がレッカーされてしまったミアは、夜道を歩いて帰路につく。通りかかったバーから偶然聞こえてきた音楽に惹かれてレストランへ入る。音の主は高速道路で煽ってきたセブで、ミアは曲に感激して声を掛けようとするが、契約通りの曲を弾かなかったことで解雇されたセブは、彼女を邪険に扱って店を出る...(ウィキペディアより抜粋)


 去年の2月のある日、店主はブルックリンのとある街を歩いておりました。

 たまたま通りかかった映画館の上映予定ボードを目にすると何やら記憶にある作品名が。

 それが、NYを訪れる直前東京で聴いた渋谷陽一大先生(店主をロックにのめり込ませた張本人)のラジオ番組で取り上げていた「ラ・ラ・ランド」でした。

 その情報によると、その映画は今どき珍しくミュージカルであるということ。

 監督は3部門でオスカーを受賞した「セッション」のデミアン・チャゼルであるということ。


 確かこの監督って若かったよなぁ(今年32歳)。

 そもそも、かび臭い印象のミュージカル映画が何故に大ヒットを飛ばしているのだろうか。

 若き才能と古き映画ジャンルのギャップに店主は混乱しながらも、帰国前日の夜、この映画館の扉を押したのでした。


 後から聞けば、チャゼル監督が大学在学中から温めていた作品だといいます。

 ミュージカル映画の根幹を成す音楽担当は、同級生だったジャスティン・ハーウィッツ。

 このハーバードコンビがすごいのは、敬遠される可能性が高い現代ミュージカルである本作の出資を勝ち得るために、商業的成功が得やすいとみた「セッション」の制作を先行したことです。

 ご承知の通り「セッション」は大評判となり、「ラ・ラ・ランド」への出資の約束手形となりました。

 ノスタルジックなミュージカル映画のスタイルをとりながら、観客が自分の人生を重ねやすいありがちなラブストーリーを描いてみせる。

 誰も想像しなかった素晴らしきミュージカル映画がこうして陽の目をみたことは、トム・ハンクスの言葉を借りればまさに「神に感謝」したいという最大級の賛辞を店主にしても贈りたくなってしまうのであります。


 いつものように夜7時くらいからスタート。

 お楽しみに。


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