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 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「コーヒー&シガレッツ」。
 13年前の5月14日に公開されました。

 ジム・ジャームッシュ監督が2000年代に入って最初に発表したのがこの作品です。
 といっても、11の物語からなるオムニバス形式の本作中、最初に撮られたものが1986年だといいますから、出世作「ストレンジャー・ザン・パラダイス」に続いて撮った「ダウン・バイ・ロー」と同時期に仕掛っていたことになります。

 タイトル通り、コーヒーを飲みつつ、煙草を吸いつつ、登場人物たちが取り交わす四方山話が脈絡なく並べられているだけの本作。
 でも、カフェや喫茶店なんかで、なんとなく聞こえてきたお隣りの会話に、ついくすりと笑ってしまうことがありませんか。
 上司と部下、先輩と後輩、親と子供。
 深い仲、浅い仲、初対面。
 ほどなく、その人間関係までわかってきたりして。
 
 コーヒー+煙草は人によってはリラクゼーションに最適な嗜好品ペア。
 そんな人々の無防備な会話の盗み聞きをちょっぴり許してもらいましょう。
 また、普段は店内禁煙をお願いして愛煙家のご常連にはご不便をお掛けしている当店ではありますが、今夜は紫煙をくゆらす気分だけでも味わってくださいませ。
 もうひとつ、本作のミソは、登場人物たちがほぼ有名人で固められていることであります。
 本人たちズバリを演じるイギー・ポップとトム・ウェイツの巻なんか、水と油のような音楽ジャンルを代表する二人のカリスマのぎくしゃくした腹の探り合いに、脚本があるとはわかっていながらも笑いを堪えて見入ってしまいます。

 いつものように夜7時からスタート。
 お楽しみに。

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 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「グラン・ブルー」。
 29年前の5月11日に公開されました。

   

 イタリア人フリーダイバー、エンゾはある男を捜していた。
 ギリシアの海辺の町で育ったエンゾはガキ大将で、誰よりも素潜りが得意だったが、彼が唯一認めていたのが、潜水夫の息子である一人の気弱そうな少年だった。

 ニューヨークで働く保険調査員ジョアンナは、自動車事故の調査でペルー、アンデス山脈の高地にいた。そこで彼女は、氷結した湖に酸素ボンベもなしに潜水していく一人のダイバーに出会う。
 ジャック・マイヨール。彼こそがエンゾが捜していた少年の成長した姿だった。

 シチリア島タオルミナで開催されるフリーダイビング競技会。エンゾ、ジャック、そしてジャックを追ってやってきたジョアンナの3人が出会い、運命の物語が始まる。

 何人もの挑戦者たちが、まずはエンゾの記録に挑むが、あえなく敗れる。そしてエンゾの記録を破るのは、当然ながらマイヨールだった。だが、この勝敗の後に寄せてきた荒波とは…。(ウィキぺディアより)


 当初1988年、フランスで公開されたものは、オリジナル版とよばれている上映時間132分のバージョン。
 公開後パリで、ある車が大ブームになります。
 本作を敬愛されてる方はピンとくるかもしれませんが、ジャン・レノ演じるエンゾの愛車、フィアット500がそれです。
 本作に「いかれた」若者たちは、とどまることなく増殖し、フランスに流行語大賞があるかどうか知りはしませんが、「グラン・ブルー・ジェネラシオン」という言葉が生まれるほどの騒ぎに。

 ともなって、パリでは187週という超ロングラン上映されることになります。
 対照的に日本では、同年8月、仏オリジナル版を12分カット編集したいわゆる国際版が、「グレート・ブルー」の邦題で公開されるも、1週で打ち切られた新宿プラザをはじめ惨憺たる興行に終わり、この時点では陽が当たることはありせんでした。

 その後本国フランスでは、オリジナル版公開の半年後1989年1月に、
関係者の熱望によって37分長い無編集版が「グラン・ブルー完全版」として公開されます。

 映画好きやフランス情報通の口コミを中心に、それまで静かに拡散していた日本の「グラン・ブルー・ジェネラシオン」も徐々に話題に上り始め、ついに日本でも1992年6月、「完全版」が、大惨敗から4年ぶりにロードショー公開される運びに。
 店主も、この時は長蛇の列に並び、偏愛してきた映画の「晴れ姿」を渋谷でスクリーン鑑賞しております。

 仏オリジナル版、米国版、国際版、完全版と、さまざま存在する「グラン・ブルー」ですが、今夜のバージョンは、仏語吹替え完全版。
 今や傑作の呼び声高いこの「海の映画」は、10歳のとき、モロッコの海でイルカと出会って以来、リュック・ベッソン監督が映像化を長く温めていた題材でした。

 いつものように夜7時からスタート。
 どうぞ、ご堪能あれ。

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 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「ビッグ・ウェンズディ」。
 39年前の5月1日に公開されました。

 
 1960年代初め、カリフォルニアの海辺の町で、マット、ジャック、リロイを中心とする若者たちで作るサーフィン・グループは、水曜日にやって来るという世界最大の波“ビッグ・ウェンズデー”に挑戦することを夢見ていた。
 そんな頃、彼らにもベトナム戦争の徴兵令状がきた。グループの大半が懲兵を免れようとしている中で、優等生だったジャックは懲兵検査を受けて、ベトナムへと出征していった。
  ベトナム戦争が終わった1970年代の半ば、彼らが待ちに待った、“ビッグ・ウェンズデー”の日がやってきた。ジャック、リロイ、マットの3人は再会を喜び、サーフボードに乗って“ビッグ・ウェンズデー”に向かっていったのだった。(ウィキペディアより)


 タイトルバックに映し出されるモノクロ写真の数々。それは、波をつかまえてばっちりポーズを決めてるサーファーだったり、ビーチに集う若者たちの平和なひとときだったりするのですが、一番最後に一人の若いサーファーの顔が映ります。
 その挑むような目つきのいかつい顔の若者こそ、本作監督ジョン・ミリアスその人です。
 南カリフォルニア、マリブ育ちの彼は、生粋のサーファーとして青春時代を過ごしており、本作はその頃の体験が下敷きになっているとのことなので、この若き日のポートレイトは、「ビッグ・ウェンズディ」が彼の半自伝的映画であることの意思表明ともとれます。

 青春映画の定石として、若さを持て余して奔放に行動する若者たちを描く一方で、彼らを温かく見守る大人の視線を用意しておくということがあります。
 たとえば、「アメリカン・グラフィティ」で、大学進学を躊躇しているリチャード・ドレイファスに人生の道を示唆するDJウルフマン・ジャック(本人役で出演)であったり、「ダイナー」で、万事休すと思われたミッキー・ロークの借金の肩代わりをする人情味厚いベーグルというおじさんであったり。
 本作における、そういう役回りが、マットたちの尊敬を集める元サーファーでシェイパーのベアーという人物。
 ちなみに、主役のマットのモデルになっているのは、ジョン・ミリアスの一つ年上でマリブの帝王と謳われたサーファー、ランス・カーソンであり、このランスのサーフスタイルに影響を与えたのが、マリブの伝説的サーフショップ「べルジー&ジェイコブス」のシェイパー、デイル・ベルジーとハップ・ジェイコブス。お判りでしょうが、この2人のレジェンド・シェイパーがベアーのモデルであります。
 本作の主要な登場人物の人間関係は、現実とリンクしているというわけですね。
 

 「ビッグ・ウェンズディ」がハリウッド製の薄っぺらいサーフィン映画に陥らなかったのは、ジョン・ミリアスという監督の個性にほかなりません。
 あのいかつい顔からは想像しがたいのですが、本人曰く、かなりのロマンチスト。
 その証拠に、本作は、男と男、そして男と女の「永遠に続かない故に美しい青春」が実に思い入れたっぷりに描かれていて、そんな感傷に浸りたい向きにはたまらない名シーンがてんこ盛りであります。
 そして本作最大の見せ場である、ロングボードの名手を一堂に集めて撮られたサーフシーンがやはり見事で、マットたちが伝説の水曜日の大波に挑むハワイロケのクライマックスは、今でも語り草のド迫力です。

 実はこの場面、15フィート超の大波にテイクオフをするジョン・ミリアスがちゃっかり映っています。
 まさに、ハリウッドきってのサーフ狂、面目躍如のスーパーエキストラでありました。

 いつものように夜7時くらいからスタート。
 お楽しみに。

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