人気ブログランキング |

カテゴリ:金曜アルック座( 98 )

 ”好きな映画がロードショー公開された月に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「ラ・ラ・ランド」。
 2017年12月9日(米)に公開されました。(すみません。少々ずれ込み年越ししてしまいましたが。)


舞台はロスアンゼルス。高速道路は朝の大渋滞となっており、多くのドライバーが苛つきからクラクションを鳴らしている。渋滞の中に巻き込まれていたミア(エマ・ストーン)は女優の卵で、車中で台詞を覚えようとするが、後続車を運転していたセブ(ライアン・ゴズリング)に煽らラれて悪態をつく。ハリウッドにある撮影所でカフェ店員として働きつつ夢を追うミアだが、オーディションの結果は散々で、一向に役はもらえない。一方のセブはジャズピアニストで、歴史ある店が売れないジャズを諦める現状を嘆き、古き良きジャズを愛でる自分の店を開く夢を持つが、実際には姉ローラ(ローズマリー・デウィット)にも身を固めるよう諭される始末である。ある日例によってオーディションに落ちたミアは、ルームメイトの3人に誘われ、クリスマス・パーティに参加することになる。顔を売るための出席だったが思うようには行かず、挙げ句車がレッカーされてしまったミアは、夜道を歩いて帰路につく。通りかかったバーから偶然聞こえてきた音楽に惹かれてレストランへ入る。音の主は高速道路で煽ってきたセブで、ミアは曲に感激して声を掛けようとするが、契約通りの曲を弾かなかったことで解雇されたセブは、彼女を邪険に扱って店を出る...(ウィキペディアより抜粋)


 おととしの2月のある日、店主はブルックリンのとある街を歩いておりました。

 たまたま通りかかった映画館の上映予定ボードを目にすると何やら記憶にある作品名が。

 それが、NYを訪れる直前東京で聴いた渋谷陽一大先生(店主をロックの深淵なる世界に引きずり込んだ人の一人)のラジオ番組で取り上げていた「ラ・ラ・ランド」でした。

 その情報によると、その映画は今どき珍しくミュージカル作品であるということ。

 監督は3部門でオスカーを受賞した「セッション」のデイミアン・チャゼルであるということ。


 確かこの監督って若かったよなぁ(今年34歳)。

 そもそも、かび臭い印象のミュージカル映画が何故に大ヒットを飛ばしているのだろうか。

 若き才能と古き映画ジャンルのギャップに店主は少し混乱しながらも、映画館の扉を押したのでした。


 後から聞けば、チャゼル監督が大学在学中から温めていた作品だといいます。

 ミュージカル映画の根幹を成す音楽担当は、同級生だったジャスティン・ハーウィッツ。

 このハーバードコンビがすごいのは、敬遠される可能性が高いミュージカル作品である本作の出資を勝ち得るために、商業的成功が得やすいとみた「セッション」の制作を先行したことです。

 ご承知の通り「セッション」は大評判となり、「ラ・ラ・ランド」への出資の約束手形となりました。

 ノスタルジックなミュージカル映画のスタイルをとりながら、観客が自分の人生を重ねやすいありがちなラブストーリーを描いてみせる。

 誰も想像しなかった素晴らしきミュージカル映画がこうして陽の目をみたことは、トム・ハンクスの言葉を借りればまさに「神に感謝」したいという最大級の賛辞を店主にしても贈りたくなってしまうのであります。


 いつものように夜6時くらいからゆるくスタート。

 お楽しみに。


a0187509_19330640.jpg







 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「ジョンとメリー」。
 1969年、50年前の12月14日(米)に公開されました。


ニューヨーク、マンハッタン。家具のデザイナー、ジョンのアパートで目覚めたメリーは、自分がどこにいるのかしばらくの間わからなかった。昨晩、独身男女が集まるバーでふたりは出会い、お互いの名前も聞かないまま一夜を共にしたのだった。メリーは、整頓されたジョンの部屋を見て女の影を感じる。ジョンはかつてファッションモデルと同棲していた過去があり、メリーはある有力政治家と愛人関係にあった。朝食を食べ、昼食まで共にしたふたりは、とりとめのない会話をしながらも、次第に惹かれあっていく。しかし、ちょっとしたことでメリーは帰ってしまい、彼女が残した電話番号をジョンは消してしまう。ふたりは再び出会うことができるのだろうか。(ツタヤ・ディスカスHPより)


 本作は、メルヴィン・ジョーンズの同名小説を映画化したものです。
 店主はその昔この作品を、NHKのラジオドラマで聴いて知り、小説を買いました。
 映画自体はどこかの深夜帯のテレビで観たような気がします。
 印象的だったそのラジオドラマは、表向きの会話と心中での本音のつぶやきという表裏不同のかけひきがうまく脚本に落とし込まれ、出会ったばかりの男女の互いに探りを入れずにはいられない心理がよく伝わってくる出色の出来栄えでした。
 あとから思えば、このラジオドラマの制作スタッフには、ピーター・イエーツ監督による映画版「ジョンとメリー」へのリスペクトもやはりあったのでしょう。
 本作を初めて観たとき、ラジオから伝わってきた悲しいくらい静謐な空気感は、この映像作品に流れているものを踏襲したのだろうと感じ得ましたから。

 映画の出来映えとは違う次元で、いろいろ教えてくれた作品でもあります。
 たとえば、ジョンが住むロフト風アパートのこの上ないかっこよさだったり。(斜めに立ち上がった部屋の一面に大きな窓がはめ込まれているあの感じ。)
 エッグスタンドを使ったゆで卵の食べ方だったり。(ジョン、メリー銘々違うんですよ。)
 てっきりフラスコをコーヒーサーバー代わりにしているのかと思いきや、それがあのケメックスだったり。
 1969年公開当時のニューヨークでは、帝王ウォーホルが絶頂期を迎えていたのだろうと想像がつくポップアート・パーティーのくだりがあったり。

 とにかく、ジョンが属するニューヨーク・スノッブ階級の生活の一端を垣間見せてくれたようなこの作品は店主には刺激的でありました。
 高報酬の家具デザイナーという役どころに当時32歳のダスティン・ホフマンがはまっております。
 24歳だったミア・ファロー演じるメリーは、地方都市出身だったり部屋をシェアしていたりどちらかというと大衆階級寄りに描かれているのですが、ボーイッシュなショートヘアーにミニマルなワンピースがとっても似合っていてまさにこの時代のアイコン的女の子という感じ。
 60年代も終わりを告げようというニューヨークを舞台にしたボーイ・ミーツ・ガールものとして、この男女の「組み合わせ」の危ういバランス感は結構リアリティがあるように思うのですが。 

 いつものように夜6時くらいからゆるくスタート。
 お楽しみに。

a0187509_17441140.jpg







 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」。
(先月鑑賞予定が機器の不具合でかなわず、今週仕切り直しです。)
 3年前の2016年11月18日公開(米)されました。


リー・チャンドラーは短気な性格で血の気が多く一匹狼で、ボストンの住宅街で便利屋として生計を立てていた。

ある冬の日、リーは兄のジョーが心臓発作で亡くなったとの電話を受けた。故郷の町「マンチェスター・バイ・ザ・シー」に帰ったリーは、自分が16歳になるジョーの息子の後見人に選出されたことを知らされる。兄を失った悲しみや自分に甥が養育できるだろうかという不安に向き合うリーだったが、彼はそれ以上に暗い過去、重い問題を抱えていた。(ウィキペディアより)


 ちなみに、映画の舞台はイギリスのマンチェスターではありません。

 アメリカ、マサチューセッツ州にある小さな町、ずばりタイトルになっております"Manchester by the Sea"がそこ。

 本作において、リーを演じたケイシー・アフラックが89回アカデミー賞主演男優賞を見事射止めております。

 

 いつものように夜6時くらいからゆるくスタート。

 お楽しみに。

今週の金曜アルック座は「マンチェスター・バイ・ザ・シー」です。_a0187509_18185235.jpg








 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、コーエン兄弟監督作「インサイド・ルーウィン・ディヴィス 名もなき男の歌」。
(先週機材の不調につき、今週再度鑑賞仕切り直しです。)
 6年前の2013年12月6日に公開されました。


1961年、NYのグリニッジ・ヴィレッジ。ライブハウスで歌うフォーク・シンガーのルーウィン・デイヴィスは、最近何をやっても裏目に出てばかり。一文無しで知り合いの家を泊まり歩く日々。つい手を出した女友達からは妊娠したことを告げられ、おまけに仕方なく預かるはめになった猫にも振り回される始末。山積みになったトラブルから逃げ出すようにルーウィンはギターと猫を抱えて旅に出る。年老いた父との再会の末、とうとう歌をやめて父と同じ船員に戻ろうと決意するが、それさえもうまくいかない。旅から戻り打ち拉がれたルーウィンはまたNYのライブハウスにいた。歌い終えたルーウィンがふとステージに目をやると、そこにはやがてフォークの世界を大きく変えることになる無造作な身なりの若者の姿が...(公式サイトから抜粋)

 ディラン以前のフォーク・シンガーというと、ウディ・ガスリーやピート・シーガーくらいしか名前が出てきませんが、本作主人公のルーウィンにはモデルがおりまして、そのディランが駆け出しの頃憧れていたというデイヴ・ヴァン・ロンクなるフォーク歌手がその人。
 この人物の回顧録を下敷きに、コーエン兄弟が脚本を書き、監督したのが本作になります。

 1961年のNY、フォーク・クラブのメッカだったグリニッジ・ビレッジが舞台というのがまず興味深いですね。
 となると、ほどなくして時代の寵児になるボブ・ディラン寄りに焦点をあてたくなるところですが、そのディランと入れ替わるように人々の記憶から失われていった彼の5歳年上となる先輩ミュージシャンをモデルにして主人公を創造したあたりがコーエン兄弟らしいところ。
 時代の変わり目には、突然スポットライトを独り占めにするものが現れる一方で、舞台上からそっと袖に消えるものもいるということであります。
 また本作で特筆すべきは、撮影が「アメリ」を撮ったブリュノ・デルボネル。
 このセザール賞(フランスのアカデミー賞)を獲ったフランス人カメラマンが、冬のグリニッジ・ビレッジをどんな風に切り取って魅せてくれるのかは要注目です。
 

 あと、音楽を軸にした映画にありがちなのは、演奏シーンをおろそかにして完成度がガクンと下がってしまうという問題でありますが、本作については心配いりません。
 ルーウィン演じるオスカー・アイザックの歌とギターは玄人はだしの見事な腕前。
 実は彼、ジュリアード音楽院卒という経歴を持っているので、それも納得の業であります。

   
 いつものように、夜7時くらいからゆるくスタート。
 お楽しみに。

a0187509_18261586.jpg






 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「ファミリー・ツリー」。
 8年前の2011年11月16日公開(米)されました。


オアフ島ホノルルに住む弁護士マット・キングにはカウアイ島にある先祖代々受け継がれてきた広大な土地を7年後の信託を前に売却するかどうかという大問題があった。売却すれば自然は失われるものの一族に数億ドルもの資金が入る。彼の親戚達は売却益を分けることを望んでおり、彼も売却益で妻とゆっくりした生活をしたいと望んでいた。そんなある日、妻エリザベスがボート事故に遭い、意識不明の重体となる。10歳の次女スコッティは情緒不安定になり、重体の母親の写真を級友に見せたり、友人をイジメたりと問題ばかり。全寮制学校へ通う17歳の長女アレックスの迎えに行くと、心の動揺や二日酔いのせいで、母との確執の原因はクリスマスに母の浮気現場を目撃したためだと告白。親友夫妻からもエリザベスが淋しさから真剣に離婚を考えていたことが判明。マットは病室で会話もできず問い詰めることもできず思い悩む。妻の容態が悪くなり、医師がもう助かる見込みはないと彼に説明し、妻の意志に従って生命維持装置を外すことになる。マットは娘二人と長女のボーイフレンドらと共に、先祖代々の土地の見納めとエリザベスの浮気相手に会うためカウアイ島に飛ぶが...(ウィキペディアより抜粋)


 いつものように夜6時くらいからゆるくスタート。
 お楽しみに。

今週の金曜アルック座は「ファミリー・ツリー」です。_a0187509_17500211.jpg







 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「アンダー・ザ・シルバーレイク」。
 1年前の2018年10月13日公開(日)されました。

 本作がカンヌ映画祭で不評だったため、今を時めく製作配給会社A24が再編集を決め公開を先送りし、結果本国アメリカより日本で先行ロードショーされたいわくつきの作品であります。


舞台はLA。いい年になりながら人生に目的を見いだせない33歳のサムは、隣人の美しい女性サラに恋をする。空虚な日々を送っていたサムの日常は一変したように見えたが、ある日突然、サラが失踪する。サラを諦めきれないサムは、調査し探し回るが、やがて、億万長者やセレブが絡む陰謀に巻き込まれていく。(ウィキペディアより抜粋)


 いつものように夜6時くらいからゆるくスタート。


今週の金曜アルック座は「アンダー・ザ・シルバーレイク」です。_a0187509_14250748.jpg






 お楽しみに。



 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、トッド・ヘインズ監督作「ワンダーストラック」。
 2年前の2017年10月20日公開(米)されました。


本作は2つの時間軸の物語が交互に語られていく体裁を取っている。便宜上、ここでは2つの物語を別々に記述する。

1927年10月ニュージャージー

耳が聞こえない少女、ローズはそれ故に学校に行くことが出来ず、家庭教師から勉強を教えてもらっていた。孤独感に苦しむ日々を送っていたローズは、アイドル的人気を博していた女優、リリアン・メイヒューに会うために、ニューヨークへと向かった。ニューヨークに到着したローズは、メイヒューが出演する舞台を見に行った。「会いたかった」と語るローズに対し、メイヒューは怒りを示した。メイヒューこそローズの生みの母親だった。父母の離婚後孤独に苦しみ続けたローズ。博物館に勤める兄を頼る。

1977年6月ミネソタ

少年、ベンがそこで暮らしていた。ベンの母親であるエレインは町の図書館で働いていたが、ある日自動車事故で亡くなってしまい、叔母の家に身を寄せるが従兄弟とは不仲で居心地が悪い。ベンは父親の顔を覚えていなかったが、実の父親に会ってみたいという思いは強くなる一方であった。ある日、ベンは母親の遺品の中からしおりを見つけた。そこには「愛してるよ。ダニーより」と記されていた。このダニーこそが自分の父親だと確信したベンは、しおりに記されていた電話番号に電話をかけた。ベンが電話をしている最中、家に落雷があり、高圧電流が電話線に流れてしまった。それが原因でベンは聴力を失ってしまうのだった。ベンは父親を探すために病院から抜け出してニューヨークへ向かう決心をするのだった。(ウィキペディアより抜粋)



 いつものように夜6時くらいからゆるくスタート。
 お楽しみに。


今週の金曜アルック座は「ワンダーストラック」です。_a0187509_17245885.jpg







 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「さよなら、人類」。
 5年前の2014年11月14日公開(スウェーデン)されました。


冴えないセールスマン、サムとヨナタン。吸血鬼の牙や笑い袋といった面白グッズを2人で売り歩いているが、まるで成果を挙げられず散々な日々。フラメンコの女教師は、レッスンを受けに来るお気に入りの若い男の子の身体を指導のフリをして触りまくり、フェリーの船長は船酔いが耐えられずに理容師に転職する。さらには、現代のバーになぜか、18世紀のスウェーデン国王カール12世が騎馬隊を率いて現われ…。(allcinemaより抜粋)


 いつものように夜6時くらいからゆるくスタート。

 お楽しみに。

今週の金曜アルック座は「さよなら、人類」です。_a0187509_15562874.jpg







 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「アスファルト」。
 4年前の2015年10月7日公開(仏)されました。


フランス郊外にあるオンボロ団地。故障中のエレベーターを住民が費用を負担して修理することに。しかし2階に住む自称写真家のスタンコヴィッチは断固拒否。結局、彼だけは金を出さない代わりにエレベーターを使用しないことで決着する。ところがその直後、彼は足を怪我して車椅子生活に。誰にも見つからないよう深夜に食料調達に向かうが、そんな時間に買えるところは病院の自動販売機だけ。するとそこで、何やらワケありの夜勤の看護師と出会い、心惹かれるスタンコヴィッチだったが…。母親がいつも留守にしている10代の少年シャルリ。ある日、となりに中年女性が引っ越してくる。この団地に不釣り合いな彼女の正体は、すっかり落ちぶれてしまった女優ジャンヌだったが…。ある日、NASAの宇宙飛行士ジョン・マッケンジーを乗せたカプセルが団地の屋上に不時着する。これを秘密にしたいNASAからの要望で、最上階に住むアルジェリア系移民のマダム・ハミダが彼を2日間かくまうことになるのだが…。(allcimnemaより抜粋)


 いつものように夜6時くらいからゆるくスタート。
 お楽しみに。

今週の金曜アルック座は「アスファルト」です。_a0187509_15271680.jpg







 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」。
 2年前の2017年10月6日公開(米国)されました。


 フロリダ、ディズニーワールドのお膝元に佇む安モーテル「マジック・キャッスル」。そこで母とその日暮らしを送る6歳のムーニーは、元気満々の女の子。しかし、暮らしは一向に安定せず、母が売春に手を染めたことで事態は一変することに...(ブルータスより)


 タイトルの「フロリダ・プロジェクト」とは、ディズニーが60年代に開発を始めたフロリダでのリゾート開発のことをいいます。一方、「プロジェクト」とはアメリカにおける低所得者向けの公営住宅をも意味します。
 格安とはいえ、一般的なアパートに比べれば割高なモーテル暮らしを、なぜ彼らは選択するのでしょうか?
 それは、安定収入がない生活困窮者にとって入居審査をパスすることが困難であることに他なりません。
 このような人々が、やむなく長期滞在せざるを得ないモーテルはもはや「プロジェクト」化しているというわけです。
 突き詰めれば、「夢の王国」と「家のない人々」が隣合って存在するフロリダの現実を掛けことばで辛辣に表したタイトルであるといえるでしょう。

 本作の撮影は、ローアングルが多用されています。
 つまり、子供の目線ということですね。
 また、ディズニーワールド周辺が舞台ということもあり、モーテルの外観をはじめ、カラフルな色彩にあふれた撮影美術が印象的です。
 全編どこか無邪気で屈託のない空気感が流れているのは、こういう仕掛けも功を奏していると思われます。
 オブラートでくるむというか、お化粧を施すというか、観客にアメリカ社会のやるせない矛盾と向き合ってもらうための監督のある種の企てではないでしょうか。
 映画館に足を運んでもらわないことには伝えたいことが届きませんからね。

 「上手すぎる」と唸ってしまうムーニー役のブルックリン・プリンスの演技は特筆すべきものがありますが、店主は貧しい住人たちに一貫して優しい目を向けるモーテル管理人ボビー役のウィレム・デフォーがたまらなく好きです。
 辛いテーマを描いてるなかにあって、大いなる救いであります。
 
 いつものように夜6時くらいからゆるくスタート。
 お楽しみに。


今週の金曜アルック座は「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」です。_a0187509_18415680.jpg