今夜の金曜アルック座は「ディーバ」です。
”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
というわけで、今夜のアルック座は、「ディーバ」。
39年前の1981年3月11日に公開されました。
郵便配達員ジュールはオペラ歌手シンシア・ホーキンスのファンで、パリ公演にやってきた彼女のリサイタルを隠れて録音する。前回の公演では彼女のドレスを盗んだため、返却するために彼女の宿泊ホテルを訪れる。最初は憤慨したシンシアも素朴なジュールと話すうちに心を許し、二人は親密になっていく。その一方で、ジュールの録音したリサイタルテープと、瀕死の売春婦がジュールのミニバイクのカバンに滑り込ませたテープの2本が発端となり、それぞれのテープを追う2組の敵から追われる身となったジュールは、ベトナム人少女アルバとその恋人ゴロディッシュに助けられる...(ウィキペディアより抜粋)
初めて観たのは、今はなき高円寺の名画座。
サスペンス、ロマンス、アクション等々、映画のおいしいところが満載なうえ、監督がフランス人、ロケ地がパリとくれば、公開当時誰が考案したか、「ニュー・フレンチ・アクション・シネマ」という吹いてしまいそうな宣伝文句をつけた気持ちもわかります。
確かに、ジュールの逃走手段に小回りの利くモビレッタ(いわゆる原付)を使う発想はおもしろい。
刑事の乗る車のしょぼいヘッドライトに、こじんまり浮かび上がっては消え去るパリの夜の街の片隅々々が、疾走感とともに新鮮に映ります。
いよいよ追い詰められたジュールがバイクもろとも突っ込んだのがメトロの入口。
長い長い階段を転がり落ちるようにして原付バイクは構内の奥へ。
意外な侵入者に目を丸くして進路を開ける人々。
車を乗り捨てた刑事が執念で迫りくると、プラットホームに滑り込んできた車両に間一髪原付ごと乗り込むジュール。
それでも、あきらめない刑事は走り出した車両最後尾に果敢にしがみつくのでした...
さて、ジュールの運命やいかに。
先の宣伝文句に従えば、このあたりは見どころとなりましょう。
帰路につく店主も映画の興奮冷めやらず、バイクのスロットルを余計に吹かしてしまったように思います。(当時はもっぱらオートバイであちらこちら移動しておりました。)
ジャン=ジャック・ベネックス監督作品では、代表作「ベティ・ブルー」を推す人が多そうですですが、店主は本作のほうがお気に入りです。
長編デビューとなる本作において、温めていた映像化の案件や小道具使いのアイディアが一気に実現できた監督の喜びがひしひし伝わってきますから。
自身も言っているように、根っからのシネマ・オタクぶりが次々弾け飛ぶ傑作。
いつものように夜6時くらいからゆるくスタート。
お楽しみに。
