店主、青森で「美少女の美術史」展を観る。

 お盆に帰省すると、県美か十和田の現代美術館を訪れるのを楽しみにしております。
 2006年、2008年と立て続けにオープンした両館ですが、展覧会の提案力もさることながら、建築物としてのユニークさにも観るべきものがあるし、なんといっても、故郷におけるアート体験では、東京でのそれと違った感慨、空気感を味わえるのがとってもよいのです。

 この夏足を運んだのは、県美で開催中の「美少女の美術史」展。
 タイトルからは、ついついオタク垂涎のお宝イラスト、フィギィア満載祭りを想像してしまうのですが、本展はそんな予想を見事に裏切る内容でありました。
 もちろん、そういったカテゴリーも当然出品されてはいます。霞が関が推進するクールジャパン運動の最強兵器であり、現代日本カルチャーの象徴的概念である「美少女」を語る上ではずすわけにはいきません。
 ただ、美術館サイドの狙いどころはそこではなくて、本展の全体像からすると、浮世絵~近代美人画~戦前の少女雑誌~戦後の漫画やアニメ~現代ポップアートと連なる「美術史」スタイルをとっており、鑑賞者が今に至る「美少女」イメージのルーツ探しができるような構成になっているわけです。

 店主自体、今年は、上野でバルテュス展を観たり、当店での金子國義氏(今回の県美にも、澁澤龍彦が所蔵していたという少女画が出品されておりました)のプチ展覧会開催と、「少女」という美術テーマに向き合う機会が多い年になりました。
 なおさらなのですが、やっかいなテーマであるとの認識も深まっていたりします。
 「美人画」だとすんなり美術的評価対象になるものが、「美少女画」?だとすんなりいかなくなる。男性視点を介した途端、少女という存在は俄然危ういものに転化する傾向を秘めていますから。

 「美少女」展を企画した、青森、静岡、島根の県立美術館キュレーター三人組(本展は静岡、島根と巡廻いたします)が喧々諤々の末導き出した、出品作選定の際の目安とした「少女」の定義を紹介しておきます。
 『象徴的に誰のものにもなっていない女性を理念的に表現したもの』

 やはり、「少女」とは、やっかいなしろもののようであります。


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 タカノ綾 精霊船にのって
 2014(平成26)年

 巨大なバルーン少女は、黒い管から空気を送り込んで膨らませてあります。
 後方にみえているのは、県美が誇るシャガール作のバレエ「アレコ」のための舞台背景画。


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 橋本明治 七五三
 1928(昭和3)年


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 内藤ルネ 『ジュニアそれいゆ』第32号表紙絵
 1960年(昭和36)年


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 手塚治虫 「リボンの騎士」『なかよし』1964年6月号 ふろく表紙絵
 1964(昭和39)年


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 Mr. Goin To A Go-go!!
 2014(平成26)年






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by arkku | 2014-09-04 09:04 | 雑記