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 昨日、イーストヴィレッジのPunjabiで買ってきたカレーを朝ごはんに。
 比較的早い午後のフライトなので、ウィリアムズバーグでのランチはあきらめ、昼過ぎにはJFKへ向かいます。
 ここ数年毎回NYを訪れている理由のひとつに、今回もお世話になったこちらのレンタルアパートの快適さがあげられます。
 「なぜ山に登るのか...そこに山があるから」
 最近では、このアパートがあるからNYに来てるといっても過言ではないかも。
 実はチェックインの際、10月でレンタル業務を終了する計画であることを、管理人のKさんから告げられました。
 森羅万象、永遠であるはずもないとはわかっていても、これは残念すぎる話。
 アパートをあとにする荷造りの間、ひときわ感傷的になってしまった店主です。
 
 さて、店主は来年再びNYの地を踏むのでしょうか。
 はてまた、他の街へと舵を切るのでしょうか。 
 

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# by arkku | 2019-10-29 10:29 | 雑記

 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、トッド・ヘインズ監督作「ワンダーストラック」。
 2年前の2017年10月20日公開(米)されました。


本作は2つの時間軸の物語が交互に語られていく体裁を取っている。便宜上、ここでは2つの物語を別々に記述する。

1927年10月ニュージャージー

耳が聞こえない少女、ローズはそれ故に学校に行くことが出来ず、家庭教師から勉強を教えてもらっていた。孤独感に苦しむ日々を送っていたローズは、アイドル的人気を博していた女優、リリアン・メイヒューに会うために、ニューヨークへと向かった。ニューヨークに到着したローズは、メイヒューが出演する舞台を見に行った。「会いたかった」と語るローズに対し、メイヒューは怒りを示した。メイヒューこそローズの生みの母親だった。父母の離婚後孤独に苦しみ続けたローズ。博物館に勤める兄を頼る。

1977年6月ミネソタ

少年、ベンがそこで暮らしていた。ベンの母親であるエレインは町の図書館で働いていたが、ある日自動車事故で亡くなってしまい、叔母の家に身を寄せるが従兄弟とは不仲で居心地が悪い。ベンは父親の顔を覚えていなかったが、実の父親に会ってみたいという思いは強くなる一方であった。ある日、ベンは母親の遺品の中からしおりを見つけた。そこには「愛してるよ。ダニーより」と記されていた。このダニーこそが自分の父親だと確信したベンは、しおりに記されていた電話番号に電話をかけた。ベンが電話をしている最中、家に落雷があり、高圧電流が電話線に流れてしまった。それが原因でベンは聴力を失ってしまうのだった。ベンは父親を探すために病院から抜け出してニューヨークへ向かう決心をするのだった。(ウィキペディアより抜粋)



 いつものように夜6時くらいからゆるくスタート。
 お楽しみに。


今週の金曜アルック座は「ワンダーストラック」です。_a0187509_17245885.jpg







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 朝です。
 奇跡か執念か。
 丸一日ベッドの上で安静にしていたかいがあり、痛みは残ってるものの体を動かせるくらいまで嫁さんの首が回復しました。
 油断禁物ですが、1日分取り戻そうとマンハッタンの88丁目からどんどん南下する予定経路スタートです。

 まずはここ、新婚旅行で訪れて以来のグッケンハイム美術館。
 NYに来るたび足を運ぶMETが82丁目ですから、5番街をあと数ブロック北上するだけなのですが、毎回時間切れの憂き目にあい来れてませんでした。

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 久方ぶりにじっくり観て回ろうと思いきや、ご覧の通り三回廊ほどが改装中で展覧不可。
 その分入館料がディスカウントされてました。

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 特異な中央部の巨大な吹き向け。
 観覧者は、らせん状の通路に掛けられた画を観ながら階下に降りて来るという仕掛けです。
 緩やかとはいえ絶えず傾斜したフロアが続くため鑑賞環境に疑問を呈する人もいるといいますが、地球上のどこにもそんな美術館は存在しないのですから、そこを楽しまない手はないと店主は思うのです。

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 上から階下を覗くと、曲線で構成された構造物というのがよく実感できます。
 
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 建設中の美術館を視察する設計者のフランク・ロイド・ライト。
 この天才建築家は、グッケンハイム美術館の完成を待たずじて、その半年前に死去してしまいました。
 キャプションも壁の曲面に沿って張り付いておりますね。

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 ちょうど、没後30年になる写真家ロバート・メイプルソールの回顧展が開催中でした。
 写真は、ブルックリンの美術学校時代からの同棲相手、「パンクの女王」パティ・スミスのポートレイト。

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 アーティスト、ローリー・アンダーソン。
 NYの伝説的グループ、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのリーダー、ルー・リードの奥様です。

 ゲイ・カルチャーやパンク・ムーブメントが興り始めた時代に登場してきたメイプルソールは、その端正なマスクもあいまって美術写真分野のスターでした。
 アーティストやセレブのポートレイト、そして俳優やロックスターの如きセルフポートレイト。
 印象的な黒人男性のものをはじめとする様々な人種性別のヌード。
 花や果実の静物写真。
 果てはSM写真まで。
 生前はその作風から裁判沙汰に発展するスキャンダラスな話題が多かったメイプルソールですが、さまざまなジャンルで発揮された彼の美しすぎる構図は今なお刺激的です。
 会場内はけっこう子供連れも目立っており、「こんなの見せちゃっていいの?」という作品も多々あったりするのですが、「アートですから、いいんです」ということなのでしょう。


  
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 5番街を86丁目まで南下して、クリムトの「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像Ⅰ」があるノイエ・ギャラリーへ。
 元々有名な作品でしたが、映画「黄金のアデーレ」でその数奇な来歴が描かれてからは、広く一般に知られるようになりました。
 
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 ノイエの入館許可証はアルミ製です。

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 クリムトが素晴らしいのはもちろんですが、鑑賞後スルーできないのが館内にあるCafe Sabarsky。
 切り口美しいザッハトルテともりもりのアインシュペナー。
 NYにいることを忘れてしまいそうな趣きあるウィーン風カフェで、しばしクリムトやシーレたちウィーン分離派が躍動した時代に思いを馳せる店主でした。



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 さらに70丁目まで南下して、フェルメールがあるフリック・コレクションに。
 庭の花々がいつもきれい。
 派手な方は、チューリップですか?
 贅沢なことに、ここには噴水付き屋内パティオがあるのですが、夜パーティーが予定されてるようで、白シャツ、黒エプロンのギャルソンたちがそそくさと準備に勤しんでおりました。
 20世紀初頭で時が止まったかのような風情あるこの邸宅美術館を貸切れるうらやましい人物って誰?



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 さらにさらに5番街を南下していくと、ワシントン・スクエア公園に行き当たります。
 つまりこの公園が、世界有数の高級商店街である5番街の北の端。
 パリのそれを模した公園入口の凱旋門は、ジョージ・ワシントンが初代大統領に就任して100年目のお祝いで建てられたものとのこと。
 
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 実はこの公園、店主には思い出深い場所であります。 
 大学卒業旅行で初めてNYを訪れた際の宿が公園すぐそばのここ、Washington Square Hotel。
 NYから帰国してしばらくするとまたぞろ湧き上がってくるこの都市への郷愁は、この時の鮮烈な体験に間違いなく起因しておるのです。
 当時、NYで一番発信力があった最先端エリアは、公園南のソーホー地区でした。
 今や海外での頼みの綱、グーグルマップなぞない時代。
 とにかく朝から晩まで、通りという通り、店という店を片っ端から覗いて回ったのが思い起こされます。
 まさに冒険。
 今では二の足を踏む「やばい」ところに迷い込んだりもして。
 若かった、ということでしょう。

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 このときは3週間いたのですが、毎日のように朝飯を食べに行ってたダイナーがありました。
 トーストやパンケーキに卵料理とポテト、おかわり自由のコーヒーがセットになったアメリカンモーニングの流儀はそこで知りました。
 場所はすっかり忘れておりましたが、ホテルから少し歩き6番街大通りを渡ったところで思いがけず再遭遇。
 一気に記憶が遡り、店主はうるうるしてしまいました。
 ウエストヴィレッジで今も健在だったこの店、Waverly Dinerです。
 そしてなんと、このダイナーは5日前のジャズライブの後、暖を取りに立ち寄ったあの店に他なりません。
 そのときは、真反対の方向から訪れたのと闇夜のせいで気が付きませんでした。
 ほんと奇遇です。
 

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 本日の夕飯。
 嫁さんのNYでの得意先女子のおすすめ、Hao Noodleの重慶鍋風牛肉麺。
 ゆったりしていて洗練された店装。
 知ってる限りにおいて、世界一おしゃれな中華麺屋さんではないでしょうか。
 偶然にも、Wavery Dinerから通り沿いに歩いてすぐのところでした。
 


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 NY最後の夜です。
 先日のライブが楽しすぎたので、またSmallsに来てしまいました。
 前回30分前に列に並んでぎりぎり入れたので、今回は頑張って1時間前に到着。
 その甲斐あって席を前方に陣取れました。
 生はやっぱりいいですね。
 トランぺッターの彼が、チェット・ベイカー風のバラードを吹いたところでは店主の涙腺崩壊。



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 地下鉄でイーストヴィレッジに移動。
 こちらのパンジャブ料理デリは24時間営業なので、夜ひとしきり遊んだ後でも使い勝手よし。
 2種類野菜カレーが選べるSmall Bowl Of Riceにサモサをつけて、7ドル!
 どこの街でもそうですが、お金次第でおいしいものはいろいろ食べれる。
 でも、探せばローカルに長く愛されるお手頃な名店も必ず存在するわけです。
 強行軍でしたが、嫁さんの首も何とかもって無事8日目終了です。
 
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# by arkku | 2019-10-25 10:25 | 雑記
 先月、当店で100回記念ライブを敢行されたギターユニット、アマデュオスさんの4枚目のCD「青空をわたる風」が10月12日にリリースされました。
  
 軽快なアルペジオで始まる一曲目「青空をわたる風」。
 アルバムのタイトルチューンでもあるこの曲には、アマデュオスお二人の新しい試みがさっそく詰まっております。
 過去3作では、ガットギター(ナイロン弦)2本だけの演奏で通され、その特徴である温かみのある優しい音色を大事にする曲づくりをされてきましたが、この曲では、フォークギター(金属弦)とフルアコ(空洞ボディのエレキギター)も使用。
 結果、ナイロン弦の音をとは一味違うキラキラ感や艶っぽさも加味されて、ギターの多様さを感じる楽しい仕上がりに。
 そして、もうひとつ効果を上げているのが、イデノアツシさんのパーカッション。
 チャイムの音がまさに風のように曲間を吹き抜けて、軽やかな曲調をより高めております。

 本アルバムのクライマックスともいえるのは、もう一人のゲストミュージシャン、マツモニカさんのクロマティックハーモニカが聴きどころの11曲目「雨上がりの散歩」で異論はないでしょう。
 映画のサウンドトラックとして、ジブリの故高畑勲監督に進呈したくなるような、瑞々しく爽やかな佳曲。
 まさに、雨上がりの昂揚感を感じさせる、アマデュオスの軽妙なギターとどこまでも澄み切った音色のハーモニカの掛け合いが見事であります。

 さて、ラストの12曲目「絆」は、本CDで店主一押しの曲。
 2分20秒とごく短い曲ではありますが、店主には、何か遠大で雄渾な力が伝わってくるような印象があります。
 曲が生まれたエピソードは、CD付属のライナーノーツに譲るとして、これは作曲のカオキさんに振ってきた天来の曲想ともいうべき傑作でありましょう。
 
 ライナーによると、今回のアルバムのテーマは「自然がもたらしてくれる安らぎ」。
 連動するように、フランスの田園風景が描かれたアルバム・ジャケットはお馴染み青木美和さん作です。
 面白いのは、この画が曲によって、ズバリ南仏の牧歌的な田園地帯に見えたり、湿気をたっぷり含んだ日本の里山の風景に見えたりすること。
 アマデュオスのお二人が震災以来毎年行っているのが福島演奏ツアー。
 ライナーにあるように、その際の出会いや出来事に着想を得て出来上がった曲がいくつか収録されていることが、そんなふうに思わせる由縁かもしれません。

 「青空をわたる風」は、当店でも絶賛販売中です。
 秋らしさが増してきた今時はもちろん、季節を問わず、ほっと和みたい時に重宝すること間違いないアマデュオスならではのこの1枚を、是非お宅の愛聴盤に。

 【お問合せ】050-5438-2276(カフェ専用)


アマデュオス、CD「青空をわたる風」リリース!!_a0187509_17281516.jpg







 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「さよなら、人類」。
 5年前の2014年11月14日公開(スウェーデン)されました。


冴えないセールスマン、サムとヨナタン。吸血鬼の牙や笑い袋といった面白グッズを2人で売り歩いているが、まるで成果を挙げられず散々な日々。フラメンコの女教師は、レッスンを受けに来るお気に入りの若い男の子の身体を指導のフリをして触りまくり、フェリーの船長は船酔いが耐えられずに理容師に転職する。さらには、現代のバーになぜか、18世紀のスウェーデン国王カール12世が騎馬隊を率いて現われ…。(allcinemaより抜粋)


 いつものように夜6時くらいからゆるくスタート。

 お楽しみに。

今週の金曜アルック座は「さよなら、人類」です。_a0187509_15562874.jpg