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 本日1月20日は、オードリー・ヘップバーンの23回目の命日にあたります。
 先週に引き続き、この稀代の名女優を偲んでお送りする今夜のアルック座は、1967年に公開された「いつも2人で」。
 数あるヘップバーン作品のなかでも、店主一番のお気に入りであります。
  

 人生はいつも長い旅路。出会いと別れ、喧嘩と仲直り、熱愛と惰性……倦怠期を迎えた結婚12年目の夫婦が今再び愛を取り戻そうと旅に出る...(DVD解説より)

 本作原題は、「TOW FOR THE ROAD」。
 一組の夫婦が、出会いから12年の間に、フランスに通じる街道を6度旅します。その時々の二人の関係性、身の回りの状況は、当然の如く変化していくわけですが、旅の舞台は、いつも同じ道という設定。
 時間軸が一部交錯してしたり、瞬時に次の旅に切り替わるややこしい演出もあるので、旅のお伴の車を手掛かりに、二人の旅の軌跡を並べてみました。ちなみに、()内の数字は映画にでてくる順番。

 1回目の旅(1)ジョアンナ(オードリー)とマーク(アルバート・フィニー)が出会った学生時代のヒッチハイク

 2回目の旅(3)車が買えない二人はマークの元カノ家族とのチープなアメ車の旅に

 3回目の旅(2)ようやく購入できた中古のMGでの二人旅、ジョアンナは妊娠中

 4回目の旅(4)赤いオープンカーでのマークの一人旅、ジョアンナは生まれた子供の世話で留守番

 5回目の旅(5)子供と一緒に3人で、車は同じく赤のオープンカー

 6回目の旅(6)現在の二人、車は白のベンツに格上げ

 公開当時、38歳になっていたオードリーは、あの妖精の如き可憐さのアピールこそ少なくなったものの、7歳下のアルバート・フィニー相手に、エレガントな麗しさをたたえた大人の女優として、貫録の演技を魅せております。
 「いつも2人で」は、オードリーといえばジバンシーというイメージを断ち切った作品でもありました。89着に及ぶプレタポルテが衣装として乱舞する本作は、60年代というテーマで、オードリー・ヘップバーンというモデルの単独ファッションショーを3回分くらい観たような贅沢な印象を味わえます。
 いろんな意味で新境地を開いたそんなオードリーではありましたが、残念ながらこの後『暗くなるまで待って』を最後に、家庭を優先するがために一時女優業から身を引くことになるのでした。

 本作のもう一人の立役者は、間違いなくスコアラー、ヘンリー・マンシー二でしょう。
 夫婦間の葛藤の収め方はさまざまでありましょうが、スター中のスター、オードリーを主役に迎え、実験的手法で撮られた倦怠期な夫婦ロードムービーという異色の本作においてでさえ、マンシーニの泣きそうなくらいノスタルジックなテーマ曲がラストシーンに流れてくると、「なんだかんだいっても」とか、「いろいろあったけど」とか、とってもありがちな文節で締めくくるのがしっくりきてしまうのです。
 全部さらっていってしまう音楽の力、映画におけるスコアの重要性を、あらためて認識させられる作品でもあります。

 いつものように、午後7時くらいからスタート。
 お楽しみに。

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 すでにおしらせのとおり、当店臨時休業(1/26~2/1)にともないまして、毎月最終土曜の夜恒例、アルック・プレゼンツ・”アマデュオス”ボサノバ投銭ライブを、今月に限り1月21日土曜にやります!
 

 3回ステージ(演目は各回変わります)で、1st・PM7時 2nd・PM8時 3rd・PM9時、それぞれスタート。
 ワンステージだけでも、通しで全部聴かれて、お客様次第でOK。

 元々ノンチャージの当店ですが、ライブの際も席料等はございません。
 ただし、彼らの演奏を聴かれて応援したくなったお客さまのために?、投銭入れをご用意いたしますので、お会計のあとチャリ~ンと入れていただければ幸いです。

 アマデュオスさんの今年最初のボサノバライブでございます。
 北国育ちの店主も思わず肩をすくめる寒さが続く今日この頃ですが、荻窪のちいさなカフェで、ほっこり温かいギター演奏をごゆるりとお楽しみください。


 【アマデュオス・プロフィール】
 ガットギター2本だけで演奏する男女インストゥルメンタル二重奏ユニット
 2008年より首都圏のカフェ、バー、レストランに於ける演奏活動を開始
 生ギターの音色を大切にし、心地良く優しいサウンド空間を演出することを心がけている
 主な演奏レパートリーはボサノヴァの他、国内外のポップス、映画音楽、日本の愛唱歌など多ジャンルにわたる

 【お問合せ・ご予約】
 080・2331・7608(カフェ専用携帯)






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 1月20日は、オードリー・ヘップバーンの23回目の命日にあたります。
 アルック座では、”Audrey January”と銘打ちまして、2週連続でヘップバーン主演作を取り上げます。
 というわけで、彼女を偲ぶ今夜の作品は、1961年に公開された『ティファニーで朝食を』。
 

 いうまでもなく、ヘップバーンの代表作である本作。
 原作は、ノーマン・メイラーをして「もっとも完璧に近い作家」と言わしめた早熟の天才トルーマン・カポーティ。
 小説の映画化となるとよく起きがちなことですが、『ティファニー』にしても、小説と映画で描かれている世界観の差異が甚だしい作品として挙げられることが多いといっていいでしょう。
 
 事実、カポーティが映画化を許可した第一条件は、主演にマリリン・モンローを据えるということだったといいます。
 主人公のホリーが高級娼婦とも捉えられかねない設定であったことから、モンロー側がイメージ低下を嫌ってこのキャスティングは頓挫。カポーティは、ヘップバーンがホリー役を演じることになり、彼女に合わせてシナリオを書き直すことにしたパラマウント社に不快感を表したといいますから、この主役交代劇によって、小説と映画が別物になってしまうことを予見していたのでしょう。

 とはいえ、2008年に小説『ティファニー』の新訳を手掛けた村上春樹氏もあとがきで述べておりますが、原作とかい離しているからといって、その映画自体の出来栄えを左右ものでもありません。
 ・・・映画は映画として面白かった。あの時代のニューヨークの風景がとても美しく楽しく描かれていた。だから映画と比較してとやかく言うのはもうやめよう。・・・
 ただ、春樹氏は、原作に忠実なリメイクを望めないものかと続けております。すると、新たな悩みが。
 ・・・なかなか具体的な名前が思い浮かばない。困りますね。本を読みながら、どんな女優がホリーに相応しいか、ちょっと考えてみて下さい。・・・

 「ティファニーの店内にいるみたいな気持ちにさせてくれる場所が、この現実の世界のどこかに見つかれば、家具も揃え、猫に名前をつけてやることだってできるのにな。(村上春樹訳)」
 小説版『ティファニー』で、主人公ホリーは、「ティファニーみたいなところ」を、「自分といろんなものごとがひとつになれる場所」とも語ります。
 そこは、真の安らぎを得られるシェルターのようなところなのでしょうか。
 となるとです、原作に沿うならば、タイトルは「ティファニー(のような場所)で朝食を」というニュアンスをもちえているのかもしれません。
 映画の試写を観たカポーティは椅子からずり落ちんばかりに驚いたといいます。
 早朝、ティファニーのショー・ウィンドウ前で、朝食のクロワッサンをヘップバーンにかじらせるタイトルずばりのベタな設定で映画が始まったからでした。

 原作とかけ離れた演出に、カポーティは茫然自失といったところでしょうが、ジバンシーの黒いドレスをまとったヘップバーン、朝もや煙るマンハッタン五番街、そして流れるは、ヘンリー・マンシー二のあの「ムーン・リバー」。この有名な、映画版『ティファニー』のオープニングの完璧な美しさには、何度観てもため息をつかされてしまいます。

 いつものように、夜7時からスタート予定。
 お楽しみに。

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 1月12日は、村上春樹氏の68回目の誕生日であります。
 今夜のアルック座は、いずれ?ノーベル文学賞を獲るであろうこの世界作家のデビュー作の映画化作品、「風の歌を聴け」。
 
 「小説の世界観がわかっていない」と、ハルキニストからは酷評を浴びておる本作ですが、文章と映像を同一線上で語ること自体、あやしい論議ではあります。
 ただ、本作における成功事例のひとつに挙げてもいいと思うのはキャスティングでしょう。
 「僕」に小林薫、「鼠」に巻上公一。
 これはなかなかナイス配役であります。
   
 映画公開が81年(原作の発表は79年)。
 故に、監督の力量云々とは関係ないところで、過ぎゆく70年代的なものが否応なしに画面に浮流しているわけです。
 それだけで許せてしまうようなところが、店主なんかはありますね。
 たとえば、春樹氏が、そんな時代に国分寺で開いていたジャズ喫茶の店内の様子を想ってみたり。
 それが、映像が及ぼす作用なんでしょう。
 
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