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 6月6日というと、あの泣く子も黙る(何故かこんな形容がはまってしまう)白人テナーサックス奏者スタン・ゲッツの亡くなった日であります。
 クール・ジャズ、ボサノバ、フュージョンと、常に新しいサウンドの創造に挑み続けた音楽人生でしたが、世に名を残したジャズメンの常道に外れず、その時期々々に残したすばらしい音源と引き換えにアルコールや薬物にまみれまくったのもまた事実でした。
 僕らの世代的には、ゲッツというと、連想語のように、国民的作家になる前の村上春樹を思い浮かべる向きも多いでしょうが、音楽人生いろいろあったゲッツのポジションを彼が明解に表しているがこちらの文章です。

 ...彼は時代ごとに新しいサウンドと、新しい音楽の展開を求めた。しかし彼のナチュラルで天国的なメロディーラインは基本的には、どこにも移動しなかった。それはスタン・ゲッツという音楽家の永遠のシグネチャーだった。ひとつのフレーズを耳にしただけで、僕らはそれをスタン・ゲッツのサウンドであるとすぐに認知することができた。彼はそのシグネチャーをより有効に生かしてくれる新しい、刺激的な音楽的環境を、本能的に摸索し続けていただけなのだ。癌に身体を深くむしばまれても、その音楽的ひたむきさは失われなかったし、テクニックの衰えもほとんどうかがわれなかった。その音色も、最後の最後まで瑞々しさを失わなかった...
(村上春樹「意味がなければスイングはない」より)


 さすがの一文です。
 本日、当店のBGMは、敬意を表して、スタン・ゲッツ・オンリーとなります。
 
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 スタン・ゲッツ(Stan Getz、1927年2月2日 - 1991年6月6日)





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