<   2014年 06月 ( 2 )   > この月の画像一覧

 ”好きな映画がロードショー公開された季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「ブレードランナー」。
 32年前の本日6月25日に公開されました。

2019年、地球環境の悪化により人類の大半は宇宙に移住し、地球に残った人々は人口過密の高層ビル群が立ち並ぶ都市部での生活を強いられていた。宇宙開拓の前線では遺伝子工学により開発された「レプリカント」と呼ばれる人造人間が、奴隷として過酷な作業に従事していた。レプリカントは、外見上は本物の人間と全く見分けがつかないが、過去の人生経験が無いために「感情移入」する能力が欠如していた。ところが製造から数年経てば彼らにも感情が芽生え、人間に反旗を翻す事態にまで発展した。しばしば反乱を起こし人間社会に紛れ込む彼等を「処刑」するために結成されたのが、専任捜査官“ブレードランナー”である。

タイレル社が開発した最新レプリカント"ネクサス6型"の男女6名が人間を殺害し脱走、シャトルを奪い、密かに地球に帰還し潜伏していた。人間そっくりなレプリカントを処刑するという自らの職に疑問を抱き、ブレードランナーをリタイアしていたデッカードだったが、その優秀な能力ゆえに元上司ブライアントから現場復帰を強要される。捜査のためにレプリカントの開発者であるタイレル博士に面会に行くが、タイレルの秘書レイチェルの謎めいた魅力に惹かれていく。

レプリカントを狩ってゆくデッカードだが、やがて最後に残った脱走グループのリーダーであるバッティとの対決の中で、彼らが地球に来た真の目的を知る事になる。(ウィキペディアより)


 舞台は2019年のロサンゼルス。
 ただ、ここには、アメリカ西海岸の象徴、明るい太陽と青空はどこにもありません。こんなところには住みたくないなという嫌悪感すら抱かせる、酸性雨の降りしきる環境汚染都市に成り果てたLA。
 ハリソン・フォード演じる主人公がスシバーで注文するくだりをはじめ、看板や会話に小道具として日本語が多用されているのも、近未来のカオス的都市像を形成するのに一役買っております。監督リドリー・スコットが来日した際訪れた新宿歌舞伎町が発想元といわれておりますが、最近ネット上で話題になった一枚の写真に、あらためてその裏がとれたような気が。
 バーチャルアイドル、冷戦時代を思わせるような不穏な電光ニュース、そして妖しく光る看板の重なり...。
 まさに、本作に登場するLAを彩る猥雑なアートデイレクションそのままで。

 
 本作では、「機械」対「人間」というサイバーパンク作品にありがちな図式に心躍らすというよりは、感情を持ちえてしまったが故に悩む「機械」の悲哀の方に心が揺さぶられます。
 80年代を代表するカルトムービー中のカルトムービーをどうぞご堪能あれ。

 いつものように、午後7時くらいからスタートいたします。
 

a0187509_16141532.jpg
 
a0187509_19021315.jpg






[PR]
 6月6日というと、あの泣く子も黙る(何故かこんな形容がはまってしまう)白人テナーサックス奏者スタン・ゲッツの亡くなった日であります。
 クール・ジャズ、ボサノバ、フュージョンと、常に新しいサウンドの創造に挑み続けた音楽人生でしたが、世に名を残したジャズメンの常道に外れず、その時期々々に残したすばらしい音源と引き換えにアルコールや薬物にまみれまくったのもまた事実でした。
 僕らの世代的には、ゲッツというと、連想語のように、国民的作家になる前の村上春樹を思い浮かべる向きも多いでしょうが、音楽人生いろいろあったゲッツのポジションを彼が明解に表しているがこちらの文章です。

 ...彼は時代ごとに新しいサウンドと、新しい音楽の展開を求めた。しかし彼のナチュラルで天国的なメロディーラインは基本的には、どこにも移動しなかった。それはスタン・ゲッツという音楽家の永遠のシグネチャーだった。ひとつのフレーズを耳にしただけで、僕らはそれをスタン・ゲッツのサウンドであるとすぐに認知することができた。彼はそのシグネチャーをより有効に生かしてくれる新しい、刺激的な音楽的環境を、本能的に摸索し続けていただけなのだ。癌に身体を深くむしばまれても、その音楽的ひたむきさは失われなかったし、テクニックの衰えもほとんどうかがわれなかった。その音色も、最後の最後まで瑞々しさを失わなかった...
(村上春樹「意味がなければスイングはない」より)


 さすがの一文です。
 本日、当店のBGMは、敬意を表して、スタン・ゲッツ・オンリーとなります。
 
a0187509_18134581.jpg

 スタン・ゲッツ(Stan Getz、1927年2月2日 - 1991年6月6日)





[PR]