グランドフィナーレ

 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「グランドフィナーレ」。
 2年前の2015年5月20日に公開(伊)されました。

 さてこの映画ですが、フェリーニの継承者、21世紀の映像の魔術師といった最大級の賛辞を集める、イタリアの奇才パオロ・ソレンティーノの最新作であり、今年83歳となる名優中の名優、マイケル・ケインの最新主演作でもあります。 
 ところで、一糸まとわぬダイナマイトボディを前にして、唖然たる面持の爺さん二人。
 アルック座らしからぬ、なんとも悩ましい宣伝ポスターでありますが、ご安心あれ。(日本版ポスターは、女性客を意識したせいでしょうか、ぐっと格調高くデザインされたものに変更されております。)
 これは、本作のテーマ(原題:YOUTH = 若さ)を意識させる象徴的、かつ笑いどころとなるシークエンスからのカットなのです。
 
 店主はこの春Bunkamuraで観たのですが、ソレンティーノ監督の綾なす圧倒的な映像美には、評判通りの力量がほとばしっておりました。
 失われてしまった時間に対する老人の悔恨をセンチメンタルに過ぎるとする批評家もいるようでありますが、非日常的世界に身を委ねさせてくれるのが、映画芸術のもつ醍醐味の一端であるとしたら、アルプスの美しくも厳しい自然に抱かれた高級リゾートホテルに招き入れられた錯覚にしばし浸れる本品は間違いなく第一級です。
 スパで保養する老いた人々の群像ですら輝かんばかりの美しさを放っているのですから。
 もちろん監督の創作動機も明解で、引退した老境の音楽家を演じるマイケル・ケインの枯れた名演技も相まって、年を重ねることで得るもの、そして失うものを静かに啓示してくれる物語でもあります。

 いつものように夜7時くらいからスタート。
 お楽しみに。

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