アメリ

 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「アメリ」。
 16年前の4月25日に公開されました。


少女の頃から空想の世界で遊ぶのが好きだった22歳のアメリ。古いアパートで一人暮らししながらモンマルトルのカフェで働く彼女は、他人を少しだけ幸せにするお節介を焼くのが楽しみ。そんなある日、遊園地のお化け屋敷とセックスショップで働く不思議な青年ニノに出会う。彼の、スピード写真のブース周辺に捨てられた写真をストックしたアルバムを拾ったアメリは、悪戯を仕掛けようとするうち、ニノに恋してしまう。しかし内気なアメリは恋に真正面から向き合うことができず、かくれんぼのような駆け引きが続く...。(KINENOTOより抜粋)


 今を時めくウェス・アンダーソン監督の「グランド・ブタペスト・ホテル」公開の際、論評する方々が、そのめくるめくカラフルでキッチュな映像美と時折挟み込まれるブラックな笑いを分かりやすく伝えようとして引き合いに出していたのが、この「アメリ」。
 公開が2001年ですから、思えばジャン・ピエール・ジュネ監督が本作で紡ぎあげた世界は、当時としては斬新奇抜を極めたものだったと思います。
 おそらく、「おしゃれな匂いはするけれど、難しそう」とフランス映画に微妙な距離を置いてきた日本のオリーブ少女たち(雑誌オリーブが休刊に追い込まれたのは2003年)にも抵抗なく受け入れられたはずです。
 結果観客が呼べるフランス映画として、興行成績16億のヒット作となりました。

 店主は「アメリ」を映画館で観たことがありませんでした。
 念願のスクリーン観劇はつい先日の「午前十時の映画祭」にて。
 赤や緑の暖色が氾濫する甘々の少し嘘くさい色彩美術、全編に流れるヤン・ティルセンの詩的でミニマルなスコアに目と耳は惑わされっ放しです。
 そして、なんといってもオドレイ・トトゥの愛らしさにはまったく困ってしまう。
 ジュネ監督が白羽の矢を立てた女優の降板により実現したキャステイングとのことですが、たとえば、マリリン・モンローの「ティファニーで朝食を」が想像できないように(役どころが娼婦という設定だったため、当初交渉していたモンローが難色を示し、代わってオードリー・ヘップバーンが登板することに。)、まるでアメリそのものといったオドレイ以外に本作の主役は考えられませんよね。
 監督が彼女の存在を知ったのは、偶然目にしたポスターだったらしいですし、ヤン・ティルセンに音楽を依頼したのも彼の曲を車中でたまたま聴いたことがきっかけなんだとか。
 映画の神様っていると思います。
 どのピースが欠けても「アメリ」じゃなくなってしまいますもんね。
 
 いつものように夜7時からスタート。
 お楽しみに。

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