アニー・ホール

 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「アニー・ホール」。
 40年前の4月20日に公開されました。

ニューヨークの山の手に住むユダヤ系のアルビーはTVやナイトクラブのトークショーで稼ぐ漫談芸人。歳の頃は40、離婚歴1回のド近眼メガネ人間だ。そんな彼がある日、友人のTVディレクターのロブ達とテニスに行って、1人の美人と出会った。会話もユニークな彼女の名は、アニー。どこか屈託のない童女の雰囲気の彼女に出会ってからアルビーが変わった。アニーとのデートが日課の一つになったのだ。2人が同棲生活に入ったのはそれから間もなく。お互いにのぼせあがっていた2人も時がたつにつれて、お互いのアラが目についてきた。アルビーの周りには、なぜかTV局の女ロビンやアリソンがいて、アニーはそれが気になる。アルビーもアニーのつかみどころのない生き方がわからない。ましてアルビーは、男の独占欲にめざめてきたのだ。行きづまった2人の関係。2人は精神分析医の所に行き、2人の溝は埋まったかに見えた。だがそんなある日、アニーがいつものようにクラブで歌っていると、プロ歌手トニーが彼女の歌をほめ、カリフォルニアにくるようにすすめる。彼女は有頂天になり、精神状態も全快へとむかったが、アルビーはまだダメ。彼はアニーとトニー、果てはロブの仲まで疑い出したのだ。もうこうなってはおしまいだ。2人は別居を決意し、アニーはカリフォルニアに飛んで行った。一方、残されたアルビーを襲う寂寥感。アニーの後を追い、カリフォルニアに行き、やり直そうとアニーに迫るアルビーだったが、今のアニーは歌手としての成功の方が気になっていた...。(KINENOTOより抜粋)

 とにかく会話で埋め尽くされた映画であります。
 単純にいうと、セラピー通い15年という神経質で理屈っぽいアルビーが速射砲的おしゃべりであるということに尽きるのですが、合わせて多用されるカメラの長回しが、彼の性質をさらに増幅させて分からしめる効果を果たしているわけです。
 またときには、聞いてもらいたくて我慢できないとでもいうようにカメラ目線で観客に向かってしゃべり始めるアルビー。
 いわゆる「第四の壁(フィクションの世界と現実世界を隔てる概念的境界)」を壊してまで、愛してやまなかったアニーとの破局話を切々と吐露するのであります。
 映画的手法のおもしろさはもちろんですが、アルビーのアニーへの想いの膨れ上がったテンションを実に分かりやすく伝える心憎い演出です。
 
 誰かが言ってました、男は恋愛を「名前をつけて保存」することしかできない。
 すでに「上書き保存」してしまっている女のことをを、アルビーのようにいつまでもうじうじと思い返すというわけ。
 アメリカで最も著名な映画評論家であるロジャー・イーバートは本作を評していいました、「おそらく誰もが好きなウディ・アレン映画」であると。
 世間一般的な評価もまた同様でありましょう。
 心当たりがある「名前をつけて保存」男はやはり多そうであります。

 いつものように夜7時からスタート。
 お楽しみに。

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