ライトスタッフ

 ”好きな映画をロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、フィリップ・カウフマン監督「ライトスタッフ」。
 34年前の1983年10月21日に公開されました。

 
 NASAという機関が設立されたいきさつをご存じでしょうか?
 米ソ冷戦時代の最中、世界初の人工衛星打ち上げでライバル国に後塵を拝し、宇宙開発競争でさらなる後れをとることが許されなかったからなんです。
 すぐさま、マーキュリー計画をスタートさせたアメリカでしたが、有人宇宙飛行においても、ソ連に出し抜かれることになり、焦りはピークに...。

 この映画の骨子は、NASAによって選抜されたアメリカ初のアストロノーツ7人(マーキュリーセブン)が「宇宙(そら)」を目指す物語と、一流の腕をもちながらも選抜から漏れ、それでも、ロケット機で音速記録更新に挑み、「空(そら)」を目指したテストパイロット、チャック・イエーガーの物語。
 名声や世間からの注目という観点からは明暗分かれた両者でありますが、監督のフィリップ・カウフマンは、各々の「ライトスタッフ(己にしかない正しい資質)」に従い命がけで「そら」に向かった勇者として等しく讃える演出を施しております。

 サム・シェパード演じるイエーガーが、コントロールを失うまでぎりぎり機体を駆って最高高々度記録を狙う場面は、この映画が好きな人皆さんが挙げられる印象的なシーンの一つ。
 重力に抗えず地上に引き戻される寸前、彼の眼には成層圏に広がる星空が刹那に映ります。
 彼なりの流儀で、マーキュリーセブンたちと同じ場所に到達した瞬間でありました。

 ラストに流れるビル・コンティの勇ましいテーマ曲がまた、この壮大なドラマをさらなる高みへ押し上げ、3時間という長尺に対する論議も吹き飛ばしてしまうかのよう。
 宇宙開発史を観ていたはずなのに、いつの間にか、匂い立つようなダンディズムに酔っているというある意味ユニークな本作。
 男子はもちろん、男のロマンを垣間見たい女子にもおすすめ。
 カウフマン監督の最高傑作、どうぞご堪能あれ。

 いつものように、夜7時くらいからゆるくスタートです。
 お楽しみに。

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