ダイナー

 ”好きな映画がロードショー公開された月日に合わせて鑑賞することで当時の季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「ダイナー」。
 35年前の1982年3月5日に公開されました。

大晦日も近い1959年のボルチモア。街のダイナーを溜まり場にする大人に成りきれない5人の若者たち。ギャンブル狂のブギーは、キャロンと彼が寝ることに20ドル賭けないかと言い、みんなも賭けにのった。レコード収集狂のシュレヴィーは、レコードのかたずけ方のことで妻のベスと口論になってしまう。ブギーが働く美容院に賭けの取り立て屋タンクがやって来た。賭け金2千ドルを今夜中に払えといって、彼を殴り倒す。ブギーは風邪で寝こんだキャロンの代わりに、ベスにかつらをつけてキャロンに見せかけてファックし、みんなから賭け金を取ろうとしたが、寸前で彼女を賭けの犠牲にはできないと引き返した...。(allcinemaより抜粋)

 ウィキペディア的には、北米に特有のプレハブ式レストランというのがダイナーの定義。主な特徴は、アメリカ料理を中心とした幅広いメニュー、気取らない雰囲気、カウンターのある店内、そして深夜営業。特にニューヨーク州、ニュージャージー州、およびアメリカ東海岸北東部に多くみられたそうです。
 舞台であるメリーランド州ボルチモアはまさに、古くから天然の良港として知られていた東海岸の街。

 ところで本作は、後に「レインマン」でオスカーを獲るバリー・レヴィンソン監督のデビュー作になります。
 レヴィンソン監督作には、ボルチモアを舞台としたものが多いですが、それもそのはず、監督はこの街の出身。
 タイトル通り、必然的にダイナー店内でのシーンが多くなりますが、この映画がおもしろいのは、ある瞬間、まるで同じソファ席で登場人物たちの会話に参加しているような感覚を覚えることです。
 おそらく、若き日レヴィンソン監督は、地元のダイナーに仲間と共に入り浸っていたことでしょう。そこで交わされるのは、延々と続く他愛ない会話だったはず。
 

 他愛無い会話が続くという意味では、退屈な映画という印象をもたれてしまう方もいると思いますが、思い起こせば、親しい間柄のリラックスした会話ほど他愛ない内容に終始するのはよくあること。
 「ダイナー」が描いたアメリカ地方都市の古き良き50年代最後の一週間。ベトナムや人種問題の影はまだ見当たりません。映画に流れる安閑とした雰囲気をつくり出すためには、思い入れのある故郷を舞台にしたことに加え、監督にとって、このダイナーでの会話のシークエンスは外せない演出だったのかもしれません。

 いつものように夜7時からスタート。
 お楽しみに。

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