めがね

 ”好きな映画がロードショー公開された季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「めがね」。
 9年前の2007年9月22日に公開されました。

 

人生の一瞬に立ち止まり、たそがれたい。何をするでもなく、どこへ行くでもない。南の海辺に、ひとりプロペラ機から下り立った女・タエコ。その小さな島は不思議なことだらけ。見たこともない不思議な「メルシー体操」なるものに興じる人々、いつもぶらぶらしている高校教師ハルナ、笑顔で皆にカキ氷をふるまうサクラ、飄々と日々の仕事をこなす民宿ハマダの主人・ユージ…。マイペースで奇妙な人々に振り回され、一度はハマダを出ようとするが、自分なりに「たそがれる」術を身につけていくタエコ。そして、タエコを追ってきたヨモギを含めた5人の間には奇妙な連帯感が生まれていく。しかし、その時間は永遠には続かない……。(ウィキペディアより)


 「かもめ食堂」に続いて荻上監督が撮った劇場4作目。
 登場人物のキャリアは語られることはなく、結果的に素性の知れない奇妙な人物ばっかり集まってきてしまうのは前作同様で、例によって劇的展開も皆無。
 ただ、北欧の街から奄美の島に舞台を移したせいでしょうか、全編に流れる「ゆるゆる」加減はこの上ないくらいパワーアップしております。
 鑑賞者は、もはやストーリーを追いかけることを放棄せざるを得なくなり、「めがね」という映像の海原にクラゲの如くゆらゆらと感覚を委ねるしか術がなくなってしまうわけです。
 本作の「ゆるゆる」感はそれくらいの破壊力を秘めていると思います。
 必然的に、クラゲ式で観るのが一番心地よいし、このヒーリングムービー?の醍醐味が味わえるのでは。

 極力説明を省いた演出を施す監督さんですが、登場する主人公タエコの心情変化はうまい小道具使いで語られています。
 それは、タエコが島まで引きずってきた重そうなスーツケースと、おそらくすっかり彼女を疲れさせてしまった日常のすべてを見せていた眼鏡。
 この小道具たちの顛末にごぜひ注目を。

 登場人物たちのビールを呑むシーンがやたら多い映画でもあります。
 それも、一貫して瓶ビールをジョッキで。
 彼らが宿やビーチであおるビールはなんともおいしそう。
 当店、地域や製法でビヤグラを使い分けておりますが、店主がこだわるサッポロ赤星だけは小ぶりのジョッキで提供しております。
 この映画の残像がそうさせているのでしょうね。

 いつものように午後7時くらいからゆるくスタート。
 おたのしみに。

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