さらば青春の光

 ”好きな映画がロードショー公開された季節感を追体験してみたい”シリーズ!
 というわけで、今夜のアルック座は、「さらば青春の光」。
 35年前の1979年9月14日に公開されました。

ジミーは、広告代理店のメイル・ボーイをしている。仕事はつまらないが、給料は悪くないので、洋服代と散髪代とクスリ代には困らない。会社がひけるとジミーは、モッズの溜り場のクラブに行き、夜中をそこで過ごした。そのクラブには、絶えずロックの音楽が流れ、デイヴ、チョーキーらが集まっていた。ジミーはその店で見つけた娘ステフに関心を寄せていた。モッズの間では、ロッカーズとの対決の話題でここのところもちきりだった。ロッカーズとは、お互いに軽蔑し合う仲で、ことあるごとに衝突していたのだ。次の週末には、“ブライトン・ビーチ”で勝負をつけることになっておりジミーはスーツを新調し、クスリを大量に手に入れ、その日の来るのを待った。いよいよ、決闘の日が近づき、ブライトン・ビーチに集まるモッズとロッカーズ。ステフも来ている。翌朝海岸通りをシュプレヒコールで歩くモッズとロッカーズの乱闘がはじまった。しかし、その決着がつかぬうちに、警官隊が出動した。ジミーとステフは狭い路地に逃げこみ、そこで2人は体を合わせた。留置場で一夜を明かし、戻って来たジミーは、母親から家を出るように言われ会社もクビになってしまった。ものにしたと思ったステフも今はデイヴの恋人になっていた。むなしいままに一人スクーターを走らすジミーは、いつのまにかブライトン海岸に来ていた。(MovieWalkerより抜粋)

 「モッズ」とは、イギリスはロンドン近辺で60年代に大ブームになった音楽やファッションをベースとしたライフスタイルの事。
 その起源は50年代後半にさかのぼるようで、当時流行していたモダン・ジャズ狂の比較的裕福な中産階級の若者たちを指していた「モダニスト」が、「モダーンズ」になり、さらに縮まって「モッズ」になったというのが定説のようであります。

 モッズの間では、以下のような定番アイテムがありました。
 ・R&B、ジャズ、ブルー・ビートなどのブラック・ミュージック
 ・3つボタンスーツ、ミリタリー・パーカー(モッズ・パーカー)
 ・スクーター(べスパ、ランブレッタ)

 大学生の頃、元祖モッズ・アイドル、フーやネオ・モッズのカリスマバンド、ジャムあたりを聴きかじり始めたのをきっかけに、かつての「モッズ」ムーブメントに好奇心を寄せてはいたのですが、これがいまひとつピンとこない。要するに、当時のロンドンの熱さが伝わってくるような情報に飢えていたといいますか。
 その意味で、フーのアルバム「四重人格」をベースに制作されたこの「さらば青春の光」を観た後は、かなりすっきりしたような記憶があります。
 青春映画としての出来栄えもさることながら、60年代のモッズの生態を知るのに打ってつけのバイブルムービーとして、その資料性もありがたかったわけです。
 さすがに、スクーターまでは購入しませんでしたが、店主は早速、原宿でモッパーを買い求めてしまいました。

 ちなみに、モッズご用達のスクーターとして、主人公ジミーが乗っているのは、「ランブレッタ」というメーカーのもの。一方、ジミーが憧れるエース(演じているのはあのスティング!)の愛車は、お馴染み「ヴェスパ」の最高級モデルです。
 昔聞いた話ですが、労働者階級のモッズは、不本意ながらその廉価性から「ランブレッタ」を選んだそう。
 ブームというものは、熱病のようにクラスターの垣根を越えて広がっていく過程で、ある種の格差をはらみながら膨らんでいくのは、今も昔も変わらないということでしょうか。

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