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店主、「アンディ・ウォーホル展:永遠の15分」を観る。

 六本木アートナイトが開催された4月19日土曜。
 この日は、六本木周辺の主要美術館が、朝まで開館されているというので、カフェ閉店後、嫁さんと「ウォーホル展」を観に森美術館へ。

 
 深夜にも関わらず、結構な混雑でありました。
 六本木らしく、通常の観覧者層とは少しいでたちの違う、イベントに敏感そうな若い世代多し。
 思わず欠伸の人も、ソファベンチで舟を漕いでる人もさすがに多かった。
 店主はといえば、木場の現代美術館で観て以来、約20年振りのポップアート界のスーパースターの大回顧展に興奮気味の上に、久方ぶりの真夜中の六本木の空気に当てられて、嬉々として「ウォーホル」缶を味わってきた次第でして。

 
 アート作品の価値が創造される過程に、「やったもん勝ち」的な要素があるのはご承知でありましょう。それ以降発表される作品すべてに、制作者の理屈をさて置いて、〇〇風といわれてしまう可能性がつきまとうからであります。
 生き馬の目を抜くような広告業界でもまれた商業イラストレーター出のウォーホルが、どこまで計算づくの上でポップ・アートを制作していたかはわかりませんが、少なくとも、この「やったもん」が多岐にわたって非常に多いアーティストであったのは間違いないところ。
 「転写による単一モチーフの反復」、「企業ロゴや大衆商品の主題化」、「定額注文肖像画による美術の民主化」等々...。とにかく、数しれません。

 「あいつが全部やっちまった!」と、ピカソの画集を投げつけたというジャクソン・ポロックは、試行錯誤の研鑽の末、「アクション・ペインティング」という孤高の画法に辿り着きました。
 現在、確固たる評価を手にしているコンテンポラリー・アート界のアーティストたちにも、ウォーホルの画集を投げつけたくなった瞬間があったかもしれません。
 印象派やラファエル前派は、そもそもアカデミズムに対するカウンターカルチャーに端を発するムーブメントでありました。
 ウォーホル自身もそうであったように、先人の亡霊を振り切り苦しい歩みをやめようとしないものに、美の女神はちゃんと微笑んできたということなのでしょうね。


 「将来、誰でも15分は世界的な有名人になれるだろう」
 展覧会サブタイトルにある「15分」は、インターネットによる変革が加速しっ放しの現在を予見したかのような、ウォーホルの言葉からの引用とのこと。

店主、「アンディ・ウォーホル展:永遠の15分」を観る。_a0187509_19044759.jpg
本展を観に行く直前、高円寺の古道具屋さんで見っけたスープ缶のノベルティマグ。
不思議な偶然って存在します。




by arkku | 2014-05-04 05:04 | 雑記