人気ブログランキング | 話題のタグを見る

グラリ!そのとき店主は。

いつもと変わらぬ調子で世間話をしばし重ねて、ご常連のUさんが帰った直後そいつはきた。
瞬間、過去に体験した揺れ方との異質さを感じたぼくは、頭の上に設置しているボトルラックから、商売道具たる酒のボトルを片っ端から床に降ろし始めた。(端から見てたら尋常ではない素早さだったはずです。)ガラスの割れる音が厨房のあちこちに響き始めて、さすがに店のフロアに飛び出すと、まだ片付けていなかったテーブルの上のグラスが床に滑り落ちて砕け散った。
「ひえー。」
おたおたしながらも、それでも店内に留まっているしかないと腹をくくるとほどなく、揺れも序々にパワーダウンしてきたので、今度はすかさず散乱したガラスの破片やらを片付けけるべくモップを取りに走る。とにかく、このついにきた現実を振り払うかのように、平常の店内風景を一秒でも早く取り戻したかったのでしょう。
モップでもってそんな作業をしている最中に、女子が二人入店してきた。部屋にいるのが怖くて、そばの八幡様の境内に避難してきたのだという。りんごジュースを先精算した彼女らは余震の度に「また、戻ってきていいですか」と神社に走ることになった。
その後も、動かないJRのおかげで荻窪から移動できない会社員さんグループが時間調整のため訪れてきたりと、店は予想外に人の出入りが多い一日となったのでした。
ところで、その最中、景気よくいろいろ割れまくったたような気がしたのですが、実害は、グラス2個とボウモア一瓶でした。
by arkku | 2011-03-11 23:59 | 雑記